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収納棚の中にコンセントを作る|充電ステーションのススメ
スマホ、タブレット、ゲーム、デジカメ、それに付随する周辺機器など、充電が必要な家電がとても多くなりました。
当然ながら各機種に専用のコードやアダプターが必要で、それらが部屋のあちこちに散らばってコンセントやタップを占領している光景をよく目にします。ごちゃごちゃしているし、ホコリも気になるのではないでしょうか?おしゃれな家にしようとしてインテリアを工夫したところでこれでは努力が台無しです。
- INDEX
収納棚の中にコンセントを配置すればこれらを効果的に解決することができます。では具体的にどのような効果があるのでしょうか。
1.デザイン上の効果
まず考えられるのがデザイン上の効果です。本来収納棚は人目に触れるものを整理整頓してまとめて入れることのできるスペースです。古くから日本では布団、季節物の服などをこのスペースにまとめて入れて人目に触れる場所をすっきり見せる工夫をしてきました。
しかし近年パソコンや周辺機器、充電が必要な家電が増えて、部屋の隅にはタップや充電アダプターのコードが渦を巻いているという風景をよく見ます。コードを束ねてきれいに見せるにも限界があるでしょう。そのため再度作りつけの収納棚を活用して整頓された空間を作ることに重きが置かれるようになってきました。特に注文住宅では分電盤も収納スペースに収めることが多くなってきました。
収納棚は配線を隠す以外のデザイン上の効果もあります。せっかくきれいな壁面を造ってもコンセントカバーのカラーは限定されているため、逆にコンセントカバーが強調されてしまうことがあります。こういったことを防ぐためテレビ台を利用しその中にコンセントを配置するインテリアが多くなっています。コンセントを壁になるべく出さないことで壁面をすっきり見せることができます。
2.機能上の効果
コンセントは床近くの隅に配置される事が多いようです。しかしその配置にはいくつか課題があります。
まずそのような場所は室内の風の流れの関係で吹き溜まりになりやすくホコリがたまります。建築界の実験として良く行われる方法ですが、空間上に留まるように調整されたヘリウムを封入した風船を飛ばしてみることができます。エアコン空調設備の風、外部からの隙間風、シーリングファンの風、室内温度差による空気の流れにより、飛ばされた風船は室内を移動します。そしていずれは室内のどこかに滞留します。それが吹き溜まりと呼ばれる箇所ですが、多くの場合それはコンセントのある部屋の隅の床近くです。言うまでもなくそのような環境は電子機器には良くありません。パソコンのファンにホコリがたまり壊れるという体験をされたことのある方も少なからずいらっしゃることでしょう。
さらにみんなが利用しやすい機能・デザインを考える、ユニバーサルデザインの面から検討してもコンセントが床近くというのは好ましくありません。小さな子どもが濡れた手でコンセントを触ったらどうでしょうか。さらに腰の悪いお年寄りには果たして使用しやすい位置と言えるでしょうか。手すりなどが設置される、高さH=800~900mmくらいを目安に腰より上の高さで設置すると危険を防ぎ、負担の少ない充電ポイントを作ることができるでしょう。
コンセントを吹き溜まりになりにくい収納内部に設置することで、ホコリを気にすることなく、そしてみんなが安心して利用できる充電ステーションを作ることができます。
3.設備更新面の効果
多くの場合見過ごされがちですが、すべての設備は必ずいつか耐用年数を越え寿命を迎えます。それほど長い年月利用することはなかったとしても利用目的が変わり、用途を変更する必要が生じるかもしれません。電気配線、コンセントも例外ではありません。
既存コンセントから室内に追加で照明を設けたいという場合やコンセントの位置を変更・追加したいといった機会も生じるでしょう。おしゃれに配線できる場合はよいかもしれません。しかし多くの場合そのようなわけにはいかず壁紙・石膏ボードをはがし新たに配線・増設する方法や、それを避けるため、腰壁で壁をふかして内部空間を利用して配線を行うといったことが行われるでしょう。いずれにしてもかなりの日数と費用のかかることが予想されます。
しかしそれが収納空間の中に配置されたコンセントならばどうでしょうか。まず収納内部において配線を引き回すのであれば意匠上のことはそれほど気にしなくても良いため、配線を壁内部に隠す必要はありません。さらに前述の写真のように照明を追加で配置する場合も、収納が天井まで届いていれば収納内部から天井裏へ配線を行うことができます。
収納を使ったコンセントの配置は将来の設備更新にも優しい設計ということができるでしょう。
さいごに
収納棚の中にコンセントを設けることは、充電が必要な家電や通信機器をすっきりとまとめることのできるといったデザイン面だけでなく、機能面、設備更新面でのメリットがあります。リフォームや新築をご検討の場合、検討される価値があると言えるでしょう。