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雑草や生ごみが生まれ変わる!おすすめしたい「コンポスト」の使い方
庭仕事をしていて困るのが、刈り取った葉や抜いた雑草の処理です。生ごみとして収集所に出せば済みますが、量が多くなる時期は重く、運ぶのも大変なことが多いでしょう。そこで思いつくのがコンポストです。庭の片隅においておけば雑草の処理にも生ごみの処理にも使えてとても便利です。ただ、市販のものはサイズが大きかったり、デザインがちょっと好みに合わなかったりもします。コンポストは工夫次第で手作りすることも可能です。今回は草木の対策や、生ごみも処理できるコンポストについて詳しく見ていきましょう。
1.コンポストを庭に置こう
草や木が生い茂り、面積も広いような庭には「コンポスト」がおすすめです。これを設置することで落ち葉や刈り取った草の処理がとても楽になります。また、コンポストは「生ごみの処理」として活用されることも多いです。雑草や生ごみは常日頃捨てることで大変な量になりますが、コンポストを置けば発酵によってゴミを自然に土へと分解でき、環境にもやさしいです。
1-1.そもそもコンポストとは
コンポストはもともと「たい肥」を意味しています。しかし、「コンポストを置く」「購入する」といった使われ方が多く、日本の場合は「たい肥を作る道具」を意味していることが多いです。本当はコンポストは栄養の含まれた土のことを示すのですが、大型のコンポスターと呼ばれる道具に生ごみや落ち葉などを入れ、たい肥ができるまでの流れを「コンポスト」ととらえても良いでしょう。
1-2.具体的にどう使う?
コンポストにはさまざまな使い方がありますが、基本的には「大型の容器」と「落ち葉や生ごみなどの原料」、そして発酵を促すための「米ぬか、くん炭」などがあればつかうことができます。
まずコンポスターと呼ばれる大型の容器を用意し、そこにたい肥ができるようサポート原料になる、米ぬかやピートモス、くん炭を用意します。その後土被せたり原材料になる落ち葉や生ごみを入れていきます。
ただ家庭ごみで出る生ごみをたい肥にするのと、庭の草木をたい肥にするのとでは若干違いがあります。生ごみの場合は毎日土の中をかき混ぜる必要がありますが、庭の落ち葉やを腐葉土にする場合は放置する日数があっても構いません。
1-2-1.生ごみから腐葉土を作る方法
生ごみを使ったコンポストの使用方法はさまざまありますが、まずは基本的な使い方を見ていきます。まずコンポストのなかに水はけのよい「黒土」をいれます。これは庭の土を掘ったものでも可能です。その後生ごみを500gくらい、細かくカットして土に埋めます。そして水をかけ、さらに黒土をかぶせて混ぜ合わせましょう。コンポストは風通しの良い場所に設置し、毎日土を混ぜ合わせます。およそ1週間で生ごみが土に分解され、腐葉土として生まれ変わります。
1-2-2.落ち葉や草木を腐葉土にする方法
落ち葉や草木を腐葉土にする場合は、コンポストなしでも作ることができます。
まず庭の隅に穴を掘り、そこに細かく切った枝や落ち葉、刈り取った草などを入れましょう。その上に土をかけ、雨避けのビニールをかけて2~3ヵ月後にしっかりと混ぜ合わせます。この作業を再び繰り返すと、およそ半年~一年ほどで葉っぱや枝の形がなくなり、腐葉土として生まれ変わらせることができます。生ごみよりも毎日混ぜる手間はありませんが、広いスペースが必要であり、混ぜ合わせる木々の量によっては重労働になることもあるでしょう。
2.こんなにある!コンポストの種類と使い方
コンポスターと呼ばれる大型の容器には、庭穴を掘って穴を覆うようにかぶせるタイプのものと、手動で回転式させるといったものもあります。また、手作りで作ったり、ミミズの力を借りて腐葉土を作ったりするものなど、使い方もさまざまです。
2-1. 鐘の形状タイプ
コンポストで検索すると、一番多く出てくるのがこの形かもしれません。この鐘の形をしたコンポスターは、土の中に埋めて使うことが一般的です
鐘の形状コンポスター 使い方
- コンポスターを隠せる分の大きな穴を庭に掘る
- その上からコンポスターをかぶせる
- コンポスターのフタをあけ、生ゴミや落ち葉などを入れる
- 生ゴミの後に土をかぶせる
- なるべく毎日土を混ぜ合わせるこれを三か月ほど繰り返す
- 放置し、1~2ヶ月ほど寝かせると完成
2-2.回転するタイプも
コンポスターの中には「回転式」もあります。これは回転させることにより、生ごみなどを早く分解できるメリットがあります。通常のコンポスターとは違い、庭に穴を掘る必要もありません。
しかし、この回転式コンポスターは、値段が高くてとにかく大きいことが多いです。はた目から見ると子供の大型遊具にも見えます。設置場所を取るので、大きな庭がある家におすすめです。本体の高さや重量もあるため、マンションのベランダに置いたりすることは難しいでしょう。
2-3.ミミズコンポスト
ミミズコンポストとは、名前の通りミミズで生ゴミを処理する方法です。この方法は草木ではなく主に生ごみをたい肥として処理する方法として向いています。
ミミズ箱と呼ばれる箱を用意し、そこに釣り餌用で売られているシマミミズ、生ごみ、ココナッツ繊維や新聞紙などを敷きます。生ごみは3日~週に一度ペースで入れましょう。なるべく通気をよくするため毎日かき混ぜ、3ヶ月~6ヶ月ほどすると生ごみがたい肥として生まれ変わります。
かなりざっくりと説明しましたが、ミミズコンポストは結構な手間と時間が掛かります。そもそもミミズが苦手な人には向いていない方法でしょう。しかしミミズとコンポスターがセットで売られていることもあり、生ごみがミミズによって分解されていくのはとても勉強になるようです。お子さんがいる家庭では自由研究がてらやってみると楽しいかもしれません。
2-4.手作りコンポストも
もっとも簡単な方法として段ボールでコンポストを作る方法もあります。
- 段ボールの底をガムテープでしっかりと閉じ、同じサイズの段ボールの底を切って二重にしておく
- 段ボールを風通しの良い、網目状の安定した台の上に置く
- 発酵を促すために、ピートモスやくん炭を入れる
- 土を段ボールの6割くらいに入れる
- そこに生ごみを入れて毎日かき混ぜる
この方法だとベランダにも置くことができ、場所を選ばずコンポストを簡単に利用することができます。生ごみは小さく切った方が分解が早くなり、放置する際は虫よけネットをかぶせておきましょう。
3.コンポストを使うときのコツ
せっかくコンポストを用意したのに、なかなかたい肥にすることができず、途中であきらめてしまう人もいるようです。コンポストを毎日続けるには、使い方にちょっとしたコツが必要です。
3-1.生ごみは小さく切る、入れる種類も考える
コンポストを使ってもなかなかたい肥に分解しない、その原因は材料が大きすぎることが多いようです。木材でも生ごみでも。大きいサイズでそのまま入れてしまうとなかなか分解はすすみません。落ち葉や刈り取った草の分解が早いよう、枝は細かくカットする、生ごみもキッチンばさみなどで細かくカットしてから入れることが大切です。
また生ごみの場合、貝類はいれてはいけない、玉ねぎやトウモロコシの皮もなかなか分解しないといった特徴があります。基本的に生ごみは何をいれても良いですが、貝類、そして割りばしやビニールといったものは分解できないので注意しましょう。
3-2.生ごみと草木は分けた方が良い!?
コンポストは庭の剪定した木をや草をたい肥にするのと同時に、家庭から出る生ごみも分解することができます。しかし、生ごみが毎日少量ずつ出るのに対し、草木は切ったその日に何十キロも出てしまうことがあるでしょう。この数十キロの草木と、生ごみを一緒に混ぜてしまうのはあまりにも無謀です。切ったばかりの草木と生ごみを混ぜてしまえば、混ぜ合わせることは難しく、日に日に生ごみが悪臭を放ち腐っていくだけです。
まずは草木用のコンポストを使い、無事にたい肥ができるのを待ちましょう。その後別途生ごみ用のコンポスターを用意し、できたたい肥や生ごみを混ぜ合わせることで、今度は生ごみも上手に分解することができるでしょう。
3-3.キエーロとは
また、コンポストと似たようなもので「キエーロ」と呼ばれる生ごみ処理器もあります。これは大型の箱に黒土だけを入れ、土の力だけで生ごみを分解する処理器です。コンポスターは土の中に埋めたり、ピートモスやくん炭といった材料が必要になりますが、キエーロの場合は黒土のみで生ごみを処理します。
木材でできた大型の箱があれば、ベランダなどのコンクリートの上に置くことも可能です。風通しが良く日当たりが良い場所に置きましょう。しかし、黒土がおよそ90リットルは必要なので、やるからには長期に渡り続ける覚悟が必要です。まずは生ごみを試しで処理したい場合は、小さな段ボールでもできる手作りコンポストからはじめてみてはどうでしょうか。
まとめ
コンポストは庭の剪定で出た草木を保管できるだけでなく、きちんと手入れをすればたい肥として生まれ変わることのできる優れたものです。また草木だけでなく、生ごみも土などを混ぜ合わせることにより、たい肥として再利用することができます。
邪魔なものは捨てるといった考えが当たり前になっていますが、たまには自分でできる環境にやさしい取り組みを考え、コンポストを利用したい肥を作ってみてはどうでしょうか。コンポスターを用意する、土を掘る、毎日かき混ぜるといった手間が掛かりますが、材料が自然に生まれ変わったときはきっと大きな喜びになるでしょう。地球に優しいリサイクルであるコンポスト、まずは手軽にできる段ボールコンポストから始めてみるのがおすすめです。