オークヴィルホームズに関するお知らせやオープンハウス開催についてや、モデルハウスオープン開催情報などをご確認いただけるページです

INFORMATION

カテゴリー
アーカイブ

2019.08.27

  • お役立ち情報

冷房をかけても家の中が暑い「輻射熱(ふくしゃねつ)」の原因と対策とは

梅雨が明けると、家の中に居てもじりじりとした太陽の暑さを感じる季節がやってきます。いよいよクーラーの出番ですが、真夏の晴れている日は、クーラーをつけてもなかなか冷えない、ということはありませんか?

それは輻射熱(ふくしゃねつ)が原因かもしれません。あまり聞きなれない言葉ですが、実は私たちが生活するうえで、暑さを感じる一番の原因は、輻射熱があるからです。今回は、この輻射熱の原因と対策について詳しくみていきましょう。

INDEX

1.輻射熱(ふくしゃねつ)とは何か

輻射熱という言葉を調べると、次のような意味がでてきます。

遠赤外線の熱線によって直接伝わる熱の事。つまり、高温の固体表面から低温の固体表面に、その間の空気その他の気体の存在に関係なく、 直接電磁波の形で伝わる伝わり方を輻射といい、その熱を輻射熱という。太陽の自然な暖かさや、薪ストーブの熱なども輻射熱によるもの。

参照https://kotobank.jp/word/%E8%BC%BB%E5%B0%84%E7%86%B1-617297

ちょっと難しいですが、簡単にいうと「私たちが外気から感じる熱」という解釈でも良さそうです。輻射熱は、アスファルトや屋根における光の反射により、その暑さはますますアップします。では、私たちが感じる熱についてもう少し詳しくみていきましょう。

1-1.熱には大きくわけて3種類ある

熱には大きく分けて3種類あり、この3つの熱により、私たちは熱さを感じます。

  1. 電動熱 電動熱は、固体>液体>気体の順に熱を伝えやすく、一般的に触ったときに熱さを感じるのが電動熱である。熱いコップを持ったときに熱さを感じるのが電動熱
  2. 対流熱 主に液体における熱をいう。お風呂をわかしたときに、下のほうがぬるいのは、対流熱による比重が原因
  3. 輻射熱 分かりやすくいうと、空気中の熱さ。ただ、真空状態でも熱が伝わる性質がある。たき火が暖かいと感じるのは、たき火による熱エネルギーが人に届くためであり、輻射熱によるものである。
    参照http://onshitsudo.com/information/heat_faq/

この熱の種類を見ると、分かりやすいのは電動熱と対流熱といえます。特に、触ったときに熱さを感じる電動熱は、熱さのイメージが最も分かりやすいでしょう。しかし、日常生活において私たちが最も影響を受けるのは輻射熱が原因なのです。

1-2.熱を伝えるのは輻射熱が原因

日常における熱の伝わり方は、電動熱が10%、対流熱が15%、そして、輻射熱は何と75%にも及びます。分かりやすくいうと、クーラーの利かない暑い部屋に入ったとき、床から伝わる電動熱と、空気中の水蒸気による対流熱のせいで、25%における暑さの影響を感じます。しかし、それ以外は、壁や屋根から伝わる輻射熱のせいで、75%もの暑さの影響を感じるのです。

建築において、断熱材や、直射日光を防ぐ屋根の角度といったことは、非常に重要です。こうした熱との関係を無視した建築物が仮にあったら、夏は輻射熱のせいで生活することもままならなくなるでしょう。

1-3.熱帯夜の原因も輻射熱

夏に問題になるのが、寝苦しくて睡眠を妨げる「熱帯夜」です。輻射熱は遠赤外線ともいわれ、屋根や壁があっても通過して熱が入ってきます。室内にいれば日光には当たらないので、外より涼しいと思うかもしれません。

しかし、遠赤外線は目に見えない形で部屋にどんどん入ってくるので、室内でも熱中症が起こるほどの暑さになってしまうのです。しかも、壁や天井に残った暑さは、夜になってもじわじわと熱を放出します。そのため、夜になっても部屋の気温は下がらず、熱帯夜になってしまうのです。

このように、輻射熱は私たちの生活にかなりの影響を与えています。冬はうまく付き合うことで暖かさを感じることができますが、夏はうまく防がないと、熱中症といったトラブルも起きてしまうでしょう。

2.家における輻射熱を防ぎ、涼しい夏を迎えよう

ここからは、家庭における夏場の輻射熱を防ぐ方法を見ていきましょう。目に見えることのない輻射熱は、意図的に日差しを作ることにより、遠赤外線の侵入を防ぐことができます。

2-1.まずは熱を遠ざける

窓際は太陽光が差し込むので、カーテンをして日差しを避けている人もいるかもしれません。しかし、それだけで輻射熱を防ぐことは難しいのです。輻射熱が起こる原因としては、

  • ベランダの照り返し
  • 屋根に当たる日光の熱
  • アスファルトの照り返し
  • 隣接している家からの照り返し

などがあります。つまり、窓のカーテンを閉めても、窓の外にあるアスファルトが照り返しを受けている場合は、カーテン自体が非常に熱くなってしまうのです。このような場合は、カーテンを閉めるよりも、日差しを照り返すアスファルトに対策を施した方が良いでしょう。

2-2.すだれやタープを利用する

窓の外はすぐ駐車場になっており、日々駐車場のアスファルトが原因で輻射熱の影響を受けているとします。この場合、窓のカーテンを閉めるよりも、アスファルトにおける放射熱を防ぐ方が有効です

アスファルトやコンクリートは輻射熱が起きやすいので、土の地面や芝生に変えた方が暑さを防ぐことはできるでしょう。しかし、現実にその対策は難しいので、すだれやタープを利用して、アスファルトに日影を作ります。こうすることで地面における輻射熱の影響は受けにくくなり、部屋の温度上昇を防ぐことにもなるのです。

2-3.水で輻射熱を予防する

また、輻射熱を防ぐには水を使うのも効果的です。例えば、すだれをうまく利用して日よけを作っても、時間が経つにつれすだれ自体が熱くなり、徐々に部屋の気温も上がってしまいます。しかし、すだれに霧吹きなどで水をかけると、すだれ自体の温度上昇を防ぐことができるため、部屋の温度も快適に保たれることが多いのです。

水で輻射熱を予防する、代表的なものが「打ち水」です。太陽光を浴びた地面からは輻射熱がゆらゆらと上がっていることも多いです。しかし、水をかけることにより、地面からの熱放射を防ぐことができるのです。昔の人が打ち水をしていたのは、こうした理由があるからです。特に、家の周りがアスファルトやコンクリートで覆われている場合は、すだれを使って日よけをつくり、打ち水で地面を冷やすのが良いでしょう。

3.輻射熱が起こる原因

家庭において輻射熱が起きる原因は、思いがけないところに潜んでいる場合もあります。これから家を建てたり、物置などを設置したりする場合は、輻射熱が起きないよう、次のことを参考に配慮してみましょう。

3-1.地面がアスファルトやコンクリートになっている

輻射熱が起こりやすい大きな原因として、住んでいる場所の周りが、ほとんどコンクリートやアスファルトで覆われている、ということがあります。例えば、庭があっても、雑草を抜くのが大変で、コンクリートで固めてしまうケースもあります。しかし、それまで土の地面だった庭をコンクリートで覆ったとたん、輻射熱の影響で部屋の温度が上昇してしまうことは多いのです。

また、マンションの場合、ベランダはコンクリートで作られているのが一般的です。そのため、夏場はベランダからの輻射熱の影響を受け、とても暑くなってしまうことが多いでしょう。地面がコンクリートやアスファルトの場合、タープなどを利用し、意図的に日差しを作るのが良いでしょう

3-2.駐車している車からの影響

輻射熱は、実は車から影響を受けることも多いです。夏場に日差しのない駐車場へ行くと、置かれた車が非常に熱くなっていることが多いでしょう。それは、直射日光を受けた車から、常に輻射熱が発生しているからです。

一戸建てで、南側に駐車場がある家というのは特に注意が必要です。車がある限り輻射熱が発生し、家へ輻射熱を常に放出している状態になります。このような場合、できれば車からの熱を遮るようなタープをベランダにつけたり、車自体に熱が当たらないよう、カーポートの設置を検討しても良いでしょう。

3-3.直射日光の当たるウッドデッキ

ウッドデッキはコンクリートよりも熱さを防ぐようにも見えますが、実は直射日光の当たるウッドデッキは、輻射熱が発生しやすいです。

通常、木材は熱を遮る効果もあるのですが、ウッドデッキの場合は別です。近年のウッドデッキは素材にプラスチック素材が混じっていることも多く、また塗料によって日差しの照り返しが強いこともあるのです。日差しが当たるウッドデッキは、とても輻射熱を発生しやすいので、注意しましょう。庭に限らず、ベランダがとなっているになっている場合も同じです。こうしたケースはパーゴラシェードなどをうまく使い、ウッドデッキに直接日が当たらないようにします。

まとめ

輻射熱が発生する原因はとても多いです。家の前のアスファルト、駐車した車、隣家の屋根による照り返しなど、なかなかすべての輻射熱を防ぐことは難しいといえます。

それでも、工夫次第で部屋の温度を下げることもできるでしょう。すだれやシェード、そして地面に水を撒くといったことも取り入れて、上手に輻射熱を防ぎましょう。輻射熱を防ぐことは、冷房を極端に使うことを防ぐことにもなり、地球環境にも優しくなれるのです。

CALENDAR