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やっぱりここにもスイッチが欲しい!電気配線の変更はいつまで可能?
家を建てる際、順調に工事が進んでいても「やはりもう一か所コンセントをつけるべきか」と悩む施工主は多いです。
図面上では照明やコンセントの位置は既に決まっていて、工事も順調に進んでいます。しかし柱が増えたり、床の下地ができるに従って部屋が立体的になったりすると、その家で生活するイメージがどんどんクリアになるのです。
そこで気になってくるのは電気配線の位置です。注文住宅を建てるにあたり、電気配線の変更期限や、途中で電気工事の変更をお願いすることはできるのでしょうか。今日はそのようなスイッチの配線について詳しく解説します。
1.家を建てる際、電器のスイッチ変更を求める人が増えている
戸建ての場合、施工して壁が出来始めると、その家で生活するイメージがグッと強くなります。何気なく見学しているうちに「あれ、このスイッチの場所は使いにくいのではないか」「実はコンセントの数が足りないのではないか」など、生活する上での不便さに気づき、電気配線の変更を求めるケースが増えているのです。
1-1.昔に比べコンセントの必要数が多い
コンセントの位置や数というのは部屋によってある程度決まっており、昔はさほど増やしたいという要望はありませんでした。例えば六畳一間の和室の場合、壁の下の方に3箇所のコンセントがあれば十分と考えられていたのです。
しかしその和室を寝室として使う場合、今ではより多くのコンセントや配線が求められます。寝ながらパソコンをいじりたいと考える人も多く、Wi-fi 機器の設定やコンセントの増設を求めるケースが増えているのです。
1-2.スマホやパソコン、1人3個のコンセントがほしい!?
特にスマートフォンの普及によりコンセントの数はより多く求められています。例えば小学生であっても今はスマホを持っている子も多いです。しかも子供の場合、スマホとは別にポータブルゲームを持っていることもあり、小学校では勉強専用のタブレットが配られていることも。
つまり小学生であっても1人につき3つのコンセントが必要になります。大人の場合はさらにいろいろな端末を使い分けていることも多く、スマホがない時代に比べてコンセントの需要は非常に高まっているのです。
1-3.生活家電も増え続けている
また電気の配線やスイッチ増設の希望が増える背景として、生活家電が増えていることがあります。キッチンを例に見ると、昔は炊飯器と電子レンジといった生活家電が中心でしたが、現在では
- 電子圧力鍋
- コーヒーメーカー
- 低温調理器
- ジューサーミキサー
- オーブンレンジ
- ノンフライヤー など
実に数えきれないほどの調理家電が増えており、これらをすべてキッチンに設置しようとなると、多くのコンセント箇所が必要になります。
また、一度に調理をするとアンペアによってはブレーカーも落ちてしまいます。そのため工事中にアンペアの容量変更などを希望するケースも増えているのです。
2.配線の変更は「スイッチボックスを仕込むときまで」に行おう
住宅の施工が始まってから、電気系統の変更はお願いできるのか。結論から言うと、それは早い時期であれば可能です。
施工工事では配線工事を行う際にスイッチボックスを壁のなかに設置しますが、そのタイミングまでに間に合えば、自分の希望するスイッチ箇所や配線に設置してくれることが多いでしょう。ここからは、戸建て住宅を建設する流れと、電気工事の変更のタイミングなどについて紹介します。
以下参照https://iesaku.com/custom-home-electrical-construction
2-1.上棟から2週間で電気工事、そこまでが重要
私たちが普段何気なく使っているコンセントやケーブルは、 天井や壁の中に配線が隠されています。住宅を建設する際には、電気ケーブルなどの配線を壁や天井に隠す隠ぺい配線が行われており、そのタイミングは上棟(棟上げ)から1~2週間前後の時期です。
基本的に隠ぺい配線は、各部屋の壁や天井を貼り始める前に行う必要があるので、ある程度家の骨組みが終わった時点で始まります。住宅の状況にもよるものの、2~3日かけて施工するのが一般的です。変更の希望がある場合は、この時期まで伝えることが重要です。
2-2.電気配線の最終打ち合わせをしてくれる場合も
隠ぺい配線をするときに、「照明スイッチの場所」や「コンセントの数」が決まります。通常、施工を行う前に打ち合わせをし、どの部屋に何カ所コンセントがあり、スイッチの高さはどのくらいかなども決めます。
ただ、工務店によっては隠ぺい配線を行う直前に「電気配線の最終打ち合わせ」をしてくれるケースもあるようです。このタイミングに要望があれば、スイッチ箇所やコンセントの増設変更などにも応じてくれるでしょう。ホームメーカーにもよるものの、本格的な電気工事が始まる前に要望を伝えれば、変更対応をしてくれるケースは多いです。
2-3.開口を開けたあとの変更は難しい
電気工事が終わった後、壁や天井の仕上げ作業が始まります。まずは一旦天井や壁をしっかりと施工し、その後に中に仕込んでおいた電気設備の場所に合わせ、コンセントやスイッチの場所を開口します。
この時点で電気配線の追加や変更はもう簡単にはできません。変更するには分電盤から電気配線を引っ張るといった必要がありますが、それにはすでに設置した壁や天井をもう一度剥がす必要があるからです。対応不可能ではないものの、追加費用がかなり掛かってしまうことは覚えておきましょう。
2-4.スイッチを取り付けたあとの変更はリフォームと同じ
電気工事の最終段階はコンセントやスイッチなどのカバーを取り付けます。この時期になると室内の壁紙もほぼ貼り終わっているので、新居での生活がかなりイメージできるでしょう。
ただ出来上がった部屋を見て「やはりもう一か所コンセントがほしかった」など、不満を感じる人も少なくはありません。しかし、ここで配線の変更をお願いした場合、それは変更工事ではなく、リフォームと同じことになります。
リフォームになると費用や手間がかかるのはもちろん、内容によってはうまく電気配線を隠蔽するのも難しくなります。そのためよほど不満がない限りはリフォームせず、延長コードを使うなどして、自分なりに工夫したほうが良いケースも多いのです。
2-5.工事が進むほど変更は難しくなる
結局スイッチやコンセントなどの電気配線の変更は、工事が進むにつれて変更は難しくなります。どの時期でも工務店は施工主の要望に応じてくれるものの、時期が遅くなるにつれて「費用」「手間」「時間」が掛かることを覚えておきましょう。
またトラブルを防ぐためには
- 図面の確定はいつの時期に行うのか
- 現場を見ながらの打ち合わせは可能か
- 追加費用の内訳
といった項目を確認しておきましょう。住宅会社の担当者にしっかりと聞いておくことにより、のちのトラブルを回避することもできます。
3.電器のスイッチや配線は住んでからリフォームする方法も
新しい家に住むときは、どうしても「理想にマッチした完璧な家に住みたい」と考えるかもしれません。
しかしどのような家であっても、住んでから「もう少しこうすれば良かった」という要望は出てきます。建てている最中に電気配線を変えるより、住み始めてから分かったことを含め、電気配線のプチリフォームをする方法もおススメです。
3-1.家具を置いてから配線を変えるメリット
コンセントやスイッチの場所を変えるといったプチリフォームの場合、家具を置いてから工事をしたほうがメリットもあります。
- 家具の配置が決まっているので、失敗しにくい
- 本当に使いやすい場所はどこか把握できる
- 壁が傷ついた際に家具で隠せるメリットも
新築で何も家具が置いていない場合、家具をおいたとたんコンセントやスイッチが隠れてしまうというトラブルもあります。本当に使いたい家具を優先して置き、その後に電気配線を考えるのも1つの手でしょう。
3-2.コンセントの増設は5千円程度が相場
住宅を建築している最中に変更を要望した場合、追加手数料などが掛かるケースもあります。要望によっては工期の遅延や仕上げ精度の低下につながることもあり、注意が必要です。
しかし、単純にコンセントの差し込み口を増やすリフォームをお願いした場合、その費用は5000円程度です。もちろん電気配線から分岐して増設するといった場合は、さらに費用がかかります。それでも単純に増設する場合は5000円程度で済むので、必要な時期に追ってリフォームをしても良いでしょう。 早い時期に焦って工事をお願いするより、住み慣れた後から必要な工事だけをお願いする方法もあります。
3-3.リフォームの際には200Vの配線も追加しておこう
近年の新築住宅では、家庭用の電気配線として200Vが引き込まれています。これは、IHクッキングヒーターの使用率が上がったことや、パワフルなエアコンが導入されることを考慮した結果です。
しかし中古住宅の場合は家庭用の電気配線に200Vは引き込まれていないことが多いです。リフォームの際に配線をあらかじめ引き込んでおけば、エアコンの設置やキッチンをリフォームする際にも工事費用を抑えることができます。電気配線のリフォームを検討しているのなら、200Vの引き込みもぜひ検討しておきましょう。
4.まとめ
注文住宅を建てるにあたり、電気配線の変更を検討する人は多いです。基本的に工務店はその要望に答えてくれますが、施工が進むにつれ要望に応じるのは難しくなります。まずは自分がどのような生活をするのかをイメージし、あらかじめ電気工事の打ち合わせ時期に具体的な要望を伝えておくことも大切です。
また、スイッチの場所やコンセントの増設は、実際に住んでから変更するのもおススメです。まずは自分のライフスタイルを観察し、本当に必要なリフォームかどうかをしっかりと判断していきましょう。