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変更や追加の工事を希望するなら 内装仕上げが始まる前に申し出よう
新築住宅を建設し、柱が立ち、壁の骨組みができると、家具の置き場所や生活動線のイメージが立体的になってきます。このコンセントの場所は使いづらいかも…とか、クローゼットの棚の位置をかえたいなど、いろいろと迷いが出てくるのもこの頃でしょう。
内装の仕上げができる時期に、「やはりこの場所はこうしてほしい」といった変更や追加工事を希望するケースは少なくありません。しかし、そのタイミングが遅くなると手間もコストもふくらむことになります。今回は建築中の住宅における、変更工事のタイミングや注意点、実際にあった失敗例などを紹介します。
1.建築中に変更や追加を申し出るケースは多い
住宅建築における内装の仕上げが始まると、施工主は自分の住む家をかなりイメージしやすくなります。そのためこの時点で、以下のような変更や追加工事を申し出る事例が増えているのです。
1-1.手すりをつけてほしい というケース
高齢者が住む家では内装の仕上げが終わった時点で「階段に手すりをつけたい」といった要望も多いです。一見簡単に見える階段の手すりですが、壁の中が石膏ボードだけだと、木ネジで止められないこともあります。すると石膏ボードの下に補強板を入れる追加工事をする必要もあります。
しかし内装の仕上げが終わった後だと壁を壊す必要があり、手間もコストも非常にかかります。こうならないよう、住む人の年齢やライフスタイルを考え、予め必要な工事を最初からお願いすることが大切です。
1-2.コンセントの追加や位置の変更
コンセントの位置や場所の変更工事は、追加工事の中でも多いです。また希望する数のコンセントをつけてもらっても、家具やテレビを運んだら、その裏に隠れてしまうというトラブルもあります。
このようなコンセントの追加工事も、内装の仕上げが終わった時点で申し込みをすると、リフォームと同じになってしまいます。予め新居に入れる家具のリストを作っておき、サイズや場所を考え、取り付け位置を確認しておくのが重要です。
1-3.棚の取付
追加工事として階段下の収納や、トイレの小物置き場などを注文する施工主は多いです。収納用の棚板は、契約に含まれているものと、有料になっているものがあります。一般的には図面に書かれているものが無料でつけてもらえますが「物入れ」と表記された収納スペースで図面に描かれていないものは、有料の追加工事となります。のちのトラブルにならないためには、棚の位置や容量などを予めしっかり把握しておくことが大切です。
2.内装仕上げにおける変更・追加の注意点
内装の仕上げがほぼ終わっている時点での追加工事や変更は、建築業者にとってもトラブルにつながりやすく、好ましいものではありません 。例えば「カーテンレールを取り付けてほしい」と言った簡単な要望であれば受け入れられても「押入れを壊してほしい」といった大きな要望には答えられないこともあるのです。ここからは、変更や追加工事に関する注意点について紹介します。
2-1.そもそも追加工事できるのか制限を確認する
追加工事や変更は、後々裁判になるほどのトラブルにつながることも珍しくありません。建築会社のなかにはそれを見越し「工事の着工後には追加や変更は一切受け付けていない」という業者もあります。
内装の仕上げに取り掛かった時点で、色々と変更できると思っていたら、実はそうではないケースも増えています。まずは業者と契約する前に、工事内容をきちんと整理しておくことが大切です。
2-2.追加工事も見積書を取る
追加や変更工事をお願いした時は必ず見積書を取りましょう。正しい金額を提示してもらった後に工事を着工しないと、後々トラブルにつながることは多いです。
例えばトイレに吊戸棚を追加注文した時、その場では1万円程度で追加できますと言われ、それを鵜呑みにして追加工事をしたとします。
しかし後の請求書では5万円が追加され「吊戸棚をつけるための壁の補強が必要だった」といった理由で、想定以上に高い請求額が来ることもあるのです。どれほど小さな変更工事でも、必ず見積書を請求することが大切です。
2-3.その場の職人にお願いすることはNG
追加や変更工事に関しては、施工主が建築現場を見学している際にその場の職人に思いつきで頼んでしまうことがあります。「そこに棚を1段取り付けてくれないか」「靴置き場をもう一段増やしてくれないか」など。職人さんの中にはそうした要望に気軽に応じてくれる人もいますが、そのような変更は現場監督に伝わっておらず、後々他の工事に悪影響が出ることも多いのです。
その場の思いつきで現場にいる職人さんたちにどんどん変更を指示してしまうのは、のちに大きなトラブルになります。変更を希望する際は必ず現場を仕切っている現場監督や、ホームメーカーの窓口を通じて伝えることが大切です。
2-4.設計者の意見を聞く
追加や変更の工事は自分だけの判断で行わず、必ず設計者に相談してから行うことが大切です。
例えば和室にある押入れを壊してクローゼットにしたいと考えた場合。一見便利なようでも、実は押入れだからこそ補強がしっかりされており、押入れを壊したことにより部屋の強度が下がってしまう、というケースもあります。少しの工事でも設計者に相談しそれによる悪影響がないのか、きちんと確認しながら進めていきましょう。
3.内装仕上げ時の追加注文 失敗事例とは
内装が仕上がるときに、良かれと思ってお願いした追加や変更工事。それにより満足な住宅を手にした人もいますが、実は「やはり追加しなくてもよかった」というケースも増えています。ここからは、追加工事における失敗例を見ていきましょう。
3-1.予算オーバーや工期の遅れが生じる
追加の工事や変更は、契約内容に含まれていない工事となるので、基本的には追加料金がかかります。そのため、追加でいろいろと頼んだことによりトータルコストがかさみ、上の部屋に入れる予定のエアコンが買えなかった、というケースもあります。
また追加工事の内容によっては、当初予定していた工期が大幅に遅れてしまうこともあります。例えばたった一箇所のコンセントを増やす追加工事の場合、そのコンセントのせいで壁紙をはがし、壁を壊し、電気配線をはじめからやり直す、といったケースもあるのです。こうなる工期自体が大幅な遅れを引きおこし、希望日までに引越しができないという問題も出てきます。
3-2.住んでみたらそれほど必要ではなかった
追加注文したものの、住んでみたらそれほど必要なかったというケースもあります。
例えば洗面台で化粧をする予定で、たくさんの吊戸棚を追加注文した場合。 実際に住んでみたら洗面所が寒く、結局リビングにドレッサーを置いたので、洗面所の吊戸棚は使っていない、ということも。
また、昔はモノを持つことがステータスでしたが、いまでは断捨離という言葉が流行るほど、モノを持たない生活が支持されています。あった方が便利だと思い事前に多くの棚を準備したが、実際には使わないというケースも多いのです。
3-3.自分でDIYできたかも
突っ張り棒や引っかけネットなど、いまは自分で簡単に設置できる便利なグッズが増えています。コンセントの増設や壁の補強工事などは自分でできないものの「置き場所を増やしたい」「収納を工夫したい」といった要望は、自分でのちに対処できることもあるでしょう。
内装の仕上げ時には勢いもあって何かとお願いしたくなりますが、それが本当に必要な追加工事なのか、冷静に判断することも大切です。
4.まとめ
内装が仕上がってくると、家具や生活動線のイメージがはっきりしてくるため、ついいろいろな追加工事や変更をお願いしたくなります。コンセントの位置や収納の仕様を変更したい場合は、せめて間仕切り壁工事中には申し出るなど、なるべく早く要望を伝えましょう。また、現場の職人さんだけではなく、現場監督にも確認、了承を取ることが必要です。
そして契約内容に含まれていない工事は追加料金がかかります。予算や工期に影響がないかを踏まえ、本当に必要な工事かどうかを判断しましょう。
■以下参照
https://www.anest.net/study/reform-tuika201705.html
https://sumupro.com/change-plam-risk201707