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沢山の建築職人が関わってできる家 その仕事内容とコミュニケーションを図る方法とは
住宅メーカーや工務店との契約を終えて、いよいよ工事が始まるとたくさんの人たちが工事現場に訪れます。古い家が残っているなら解体屋さんから始まり、その後は現場監督との打ち合わせを行い、解体、整地が済んだら次の行程の専門職に引き継ぐ。様々な専門職の人々が数珠繋ぎのように出入りし、作業を進め、家が形になっていきます。
ここでは、家づくりの現場に関わる人たちのお話をします。どのような業者がいてどういった仕事をするのか、また理想の家を手に入れるための職人さんとの付き合い方も紹介します。
1.家づくりの現場に出入りする人は多種多様
新築住宅や大きく家をリフォームする場合、たくさんの職人さんたちに施工をお願いすることになります。ホームメーカーや工務店によっては、数種類の仕事を同じ職人さんがこなすこともありますが、実際には外壁専門業者や内装業者、配管や電気工事など、実に20以上もの業者と関わることもあるのです。
1-1.昔は当たり前のお茶出し 今は不要?
家を建てるにあたり、昔は住宅を建築してくれる大工さんにお茶出しをするのが当然でした。お茶出しとは大工さんの休憩時間に合わせ、お茶やお菓子などを用意することです。
昔はお茶を出さないと失礼にあたるといった考えが一般的でした。しかし今ではお茶出しをする必要はないと言われています。まず昔と違って共働き世帯が増えており、そもそもお茶出しをする人がいません。またお茶出しをされると作業を中断せざるを得ず、職人の方も困ってしまうといったケースもあるのです。そのためホームメーカーによっては初めから「お茶出しは不要です」と説明されることもあります。
1-2.職人は営業マンとは全く違う
住宅を購入する場合、一般的には営業マンからたくさんの説明を聞き、どうか買って欲しいと丁寧にお願いされることが多いでしょう。営業マンの場合は施工主が上の立場になり、いろいろと注文できることもあります。
しかし職人さんは営業マンと立場が違うので、上から目線で接するのは要注意です。
建築に携わる職人さんは、その作業のプロフェッショナルです。たくさん口を挟むことによりコミュニケーションがうまくいかず、施工に支障をきたしてしまうこともあります。職人さんとの付き合い方は後半に詳しく紹介しますが、営業マンとはまったく違う立場にあることを覚えておきましょう。
2.こんなにいる!建築現場で活躍する職人
ここからは、住宅を建てるにあたり、施工現場に携わる職人さんを8つ紹介します。実際にはもっと多くの業者が関わることもあるのですが、次に紹介する業者は家を建てる上でなくてはならないプロフェッショナルの職人たちです。
2-1.まずは解体業者
住宅を建てる際に古い建物がある場合は、解体業者に委託し、既存の建築物を解体してもらいます。基本的には重機を活用して家を解体しますが細かな場所は手作業で解体をする必要もあるでしょう。昔は廃材費用も含めて全てお願いできましたが、近年ではゴミの分別や処理費用が厳しくなっており、必要に応じて処理費用などを上乗せする必要があります。
2-2.大工
家を建築する中心人物となるのが大工さんです。これは木工事と言われており、その仕事内容は多岐に渡ります。まずは上棟専門の職人として建ち家職人があり、上棟の前に足場を組みます。ホームメーカーなどによっても違いはありますが基本的に2~3人程度の大工さんが3か月以上の長期間にわたり、一軒の家を作業することが多いでしょう。
2-3.屋根専門業者
住宅に骨組みができると屋根の専門業者がやってきます。屋根における工程作業はおよそ全部で1週間ほどかかります。まずはルーフィングという、屋根下地の上に防水紙を貼り付ける作業がはじまります。その後瓦やサイディングなどの屋根材を屋根の上に運びあげ、順番に貼り付けていきます。真夏には灼熱地獄のなかの作業になるため、作業時間が長引くケースが多いです。
2-4.外壁専門業者
外壁における職人さんは、大きく4つに分けることができます。
- サイディング職人
- 左官職人
- タイル職人
- 塗装職人
サイディングは、主に外装板を施工する職人です。外壁材を保持するための下地材料を取り付けるといった作業を行います。左官はモルタルやコンクリートの技術を行い、タイルを使用する場合はタイル職人による外壁への設置が行われます。そして塗装職人は塗る対象の材料に合わせ、丁寧に塗装を行う技術者です。
2-5.サッシ業者
窓に関するプロフェッショナルがサッシ職人です。窓の枠組みは、住宅を建てるときにバラバラに納品されるのが基本です。それを丁寧に組み建て、窓枠にはめていきます。このときうまくはまらないと、気密性能や水密性能が上手に働きません。シャッターやバルコニーの取り付けも、サッシ職人が対応するケースもあります。
2-6.配線・配管業者
配線・配管の作業は、主に次の3つがあります。
- ガス配管工事
- 水道配管
- 電話回線
配線工事は、外壁や内壁の工事が本格的に行われる前に始めます。水道やガスといったライフラインの配線工事はもちろん重要ですが、近年重要視されるのが光回線といった通信配線です。昔は1階に電話回線があれば事足りていたものの、近年はテレワークの導入に伴い多くの部屋に回線設備を増やしてほしいという希望が増えています。
2-7.内装業者
内装業者も主に次の3つに分けることができます。
- 建具職人
- 畳職人
- クロス職人
建具職人は、主に内装で使う建具の修理や補修を行うプロフェッショナルです。ドアを1つ部屋に取り付けるにも、その部屋に合った高さをしっかりとはかり、扉がスムーズに開くよう慎重にカンナで削ります。
畳職人はその名の通り、和室などに畳を敷くさいに活躍します。近年ではヘリのない畳といったデザイン性のあるものも多く、どの部屋にどのような畳が合うのかアドバイスもしてくれるでしょう。クロス職人は内装の壁紙を貼るプロフェッショナルです。最近ではDIYで簡単に取り付けられる壁紙というのもありますが、新築の場合はまずクロス職人に委託し、糊付け機を持ち込んで石膏ボードの下地に壁紙を貼ってもらいます。
2-8.電器専門業者
電器専門業者は、照明、空調、換気、家電など、電器に関する工事を請け負ってくれる専門業者です。ホームメーカー所属する専門業者もいれば、エアコンの設置などは施工主が後で電気店へ頼むケースもあるでしょう。
ただ建築における電器工事は、スイッチやコンセントの取り付けなど、工事中でしか対応できないものも多いです。後でコンセントをもっと増やしてほしい、といったことが無いよう、事前にしっかりとした打ち合わせをすることが大切です。
3.建築職人とうまくコミュニケーションをはかるには
お茶出しが基本的に不要になっている現在、住宅建築に携わる職人さんとコミュニケーションをとる機会は少ないといえます。しかし出来上がった家を見て「こんなはずじゃなかった」というのは、施工主と職人のコミュニケーション不足が原因であることも多いのです。ここからは、施工主が職人さんとどうかかわって行けばよいのかを紹介します。
3-1.現場監督は重要人物
家を建てる中心人物となるのが大工さんですが、なかでも「現場監督」はその長になる人です。現場監督は設計図面をもとに、その家の「施工」における監督をします。コミュニケーションをはかるには、この現場監督としっかり打ち合わせをすることが大切です。また建設中に立ち寄った際、現場監督がいたら「だいぶできていますね」「思ったより庭が広くて良いですね」などと、さりげなく会話をするのも良いでしょう。必要以上にゴマをする必要はないものの、会った時に話せる間柄になっていた方が、何か起きたときも質問や要望を伝えやすくなります。
3-2.コンビニの差し入れなら喜ばれる!?
お茶出しは不要であるものの、ちょっとした気遣いは職人さんたちに喜ばれます。例えば暑い夏の日に汗だくで作業をしてくれる職人さんへ、冷たい飲み物を差し出すのはとても喜ばれるでしょう。コンビニやスーパーにあるペットボトルや小分けのお菓子などは、職人さんの都合の良い時に飲食できて便利です。かしこまったお茶菓子などは不要ですが、サッと差し入れできるものをあげる気遣いは良いでしょう。
https://fudousan-chiebukuro.com/fudousan-kanri/2576.html
3-3.営業マンとは違うことを理解する
職人さんと施工主とのトラブルでよくあるのが「こっちが客なのに職人にひどい態度を取られた」というケースです。確かに職人さんのなかには昔気質の人もいて、工事のやり直しをお願いしても「一度やったものはもう対応できない」と突っぱねる人もいます。
ただ職人さんはその作業のプロであり、常に危険と隣り合わせで仕事をしています。自分の仕事を否定されるのには抵抗があり、納得できる説明がないと厳しい態度を取る人もいるでしょう。そのようなトラブルが起きないよう、施工前の打ち合わせではしっかりと要望を伝え、スムーズな工事ができるよう配慮することが大切です。あくまで営業マンと職人さんは違うと考え、無理な要望や変更は行わないことが重要です。
4.まとめ
家づくりの現場に出入りする人は実に多種多様です。話しやすい現場監督もいれば、そっけない人もいたり、なかなかうまくコミュニケーションが取れないケースもあるでしょう。
しかしどの職人さんも基本的には自分の仕事をまっとうし、理想的な家を建てることに貢献してくれます。話せるタイミングがあれば軽いコミュニケーションをはかり、たまにはペットボトルを差し入れするなどして、良い関係性を築いていきましょう。