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田んぼや、畑だった場所に家を建てる その注意点や対策方法とは?
近年は後継者不足の影響もあり、大きな田んぼや畑だった場所がつぶされ、住宅地に変わっています。
また不動産屋から家を建てられる農地を紹介されたり、親から宅地にできる農地を譲り受けたりすることもあるでしょう。
しかしそのような土地に家を建てるとき、気になるのは地盤のことです。もと田んぼだった場所に家を建てるなんて、地盤がゆるいといったことはないのでしょうか。
今日は田んぼや畑だった場所に家を建てる際のメリットや、注意点について紹介します。
1.田んぼや畑などの農地に家を建てるケースが増えている
少子高齢化の影響もあり、近年使われなくなった畑や田んぼが増えています。その土地に家を建てるのは、農地転用などの手続きをして許可が降りれば可能です。まずは、畑や田んぼだった場所に家を建てることのメリットについて見ていきましょう。
1-1.農地から住宅を建てるメリット
田んぼや畑が自分の所有だった場合、まずは「土地代がかからない」というメリットがあります。農地として活用していないのなら、生活の基盤として住宅を建てた方が有効活用できるでしょう。
また実際に家を建てた人のなかには「馴染みの場所に家を建てられた」という意見もあります。わざわざ住宅地に家を購入しなくても、昔からある自分の畑の土地を使えば、住みやすく、慣れ親しんだ場所で生活をすることができます。
1-2.建売の場合、日当たりや景観が良いメリットも
そして、農地を売却し、建売住宅として売られているケースには、次のようなメリットがあります。
- もともと畑や田んぼだった場所は日当たりが良い
- 静かな場所が多い
- 広い土地は新興住宅地として販売され人気がある
- 工場跡地などと違い、薬品汚染などの心配がない
特に市街地に近い農耕地の場合、住宅地としてのニーズが高く、あっという間に購入が決まることも多いです。もともと農耕地は日当たりが良いので、住宅地にしても住みやすい家となるでしょう。
2.田んぼや畑だった場所 そこに家を建てる注意点
しかし田んぼや畑だった場所に家を建てるのは、いくつかの注意点があります。ここからは、畑や田んぼに家を建てることのデメリットについて見ていきましょう。
2-1.農地は地盤が軟弱なことが多い
基本的に農地は地盤が軟弱なことが多いです。畑の土を見ても分かる通り、ふかふかで柔らかく、足を踏み入れただけで地盤が緩いことがわかるでしょう 。
そのため農地に家を建てる場合は、大掛かりな地盤改良工事が必要になります。土地の状態や広さによって、そのコストは数百万円に上ることもあります。農地を住宅として売る側も購入する側も、地盤の安全性や、それにかかる改良工事のリスクを忘れてはいけません。
参照https://www.aruzo.jp/blog/entry-116113/
2-2.特に田んぼに家を建てるのは避けた方が良い
常に水が引かれている田んぼは、畑よりも地盤がゆるく、住宅を建てるには向いていません。
田んぼの土地をすぐに住宅地にする場合、地盤沈下や液状化のリスクがあります。そのため、なかには田んぼの水を抜いてから数年土地を寝かせ、その後地盤改良を施してからやっと住宅地として認められる、というケースもあります。
農耕地のなかでも田んぼだった土地は地盤が不安定なので、すぐに家を建てるのはあまりおすすめできません。
参照https://sumika.me/seek_advices/2649
2-3.格安で住宅を建てられるとは限らない
使っていない畑や田んぼに家を建てる場合、土地代は基本的にかからないので、メリットとして安く家を建設できると紹介しました。
しかし、それはあくまで市街地に近い農耕地の場合です。
例えば、過疎化が進む田舎の農耕地に、ぽつんと家を建てる場合、非常にコストが掛かります。それは以下の理由からです。
- 水道、排水経路、電気などのインフラ整備
- 地盤改良工事
- 農地転用における行政書士費用が掛かる場合も
田舎の農耕地に家を建てる場合、水道や電気などのインフラが整っていないことが多いです。しかも下水道の引き込み工事では、数十万~百万円ほどの費用が発生するケースもあります。不便な場所に家を建てる場合、その整備費用が高額になることも覚えておきましょう。
参照https://www.sekihome.net/aruaru/3
3.それでも田んぼや畑に家を建てたい場合
農耕地に家を建てることは、地盤が弱いことや、その改良工事に伴う費用が割高になることが分かりました。それでも「譲ってもらった土地に家を建てたい」「この畑に家を建てたい」といったこともあるでしょう。ここからは、田んぼや畑に家を建てるポイントを紹介します。
3-1.そもそも建てて良いのか、農地と宅地を確認する
農耕地がいくら自分の土地だったとしても、法律上勝手に家を建てることは許されていません。
まずはその土地が農地なのか宅地なのか、確認する必要があります。
農地:農作を目的とする土地
宅地:住宅を建てることを目的とした土地
畑も田んぼも、基本的には農地です。これを宅地にするには「農地転用」の手続きをしなくてはなりません。
ただ地域によっては地目が「農地」のままでも、家を建てられるケースもあります。確認するには地元の農業委員会へ申請を提出し、許可が下りるかどうか確認する必要があります。
3-1-1.市街化区域なら建てても大丈夫
日本には都市計画法があり、これにによって、区域は3つに分かれています。
まず一つ目が「市街化区域」です。これは「家を建てて市街化にしましょう」と定められた地域なので、持っている土地が「農地」であっても、申請をしたあとはスムーズに、家を建てることができます。
3-1-2.市街化調整区域
2つ目の市街化調整区域は「なるべく農地を残しましょう」と定められた場所です。そのため、家を建てたい農地は「農地転用」の手続きを行い、許可をおりるまで家を建てることはできません。農地の場所や周辺環境によって難易度も異なり、許可がおりるまで1年以上掛かるケースもあります。
3-1-3.農用地区域
最後に「農用地区域」は「この場所は農地を残していきましょう」と定められた場所です。そのため、所有している土地が農用地区域出会った場合、基本的には家を建てることはできません。ただし「除外申請」を行えば家を建てる可能性もあるので、役所などに確認してみましょう。
3-2.地盤改良又は柱状改良を行う
農地に住宅を建てる場合、「地盤改良工事」または「柱状改良工事」を行う必要があります。
地盤改良工事 | 軟弱な地盤の安定性を保つため、地盤に人工的な改良を加える工事。土を掘りながら固化材を入れて、土と強固材を混ぜ合わせることで地盤を強固にする |
柱状改良工事 | 円柱状に地盤を固めた改良杭によって建物を支える地盤工事のこと。水を混ぜたセメントを注入し、円柱状の固い地盤を築くことで強化する |
例えば地盤改良工事の場合、30坪の住宅を建築する際には80万円から100万円程度の費用がかかります。決して安くない費用ですが、この改良工事をそないと地震が起きた際に倒壊するリスクもあります。安心して住める家にするためには、かならず地盤改良工事や柱状改良工事を行いましょう。
参照https://sumika.me/seek_advices/2649
3-3.インフラ整備も忘れずに
市街地から遠い農耕地に家を建てる場合、水道や排水経路、電気やインターネット回線など、すべてのインフラが整っていないことが多いです。その場所に水道などのインフラ回線が引込可能かどうかは、市町村役場で調べる必要があります。
上下水道の引き込みは数十万~百万円ほどの費用がかかるリスクもありますが、電気の引き込み工事は電力会社が負担してくれるケースもあります。インフラ整備は意外とコストが掛かるので、工事業者にあらかじめ見積もりを取ることが大切です。
参照https://www.sekihome.net/aruaru/3
まとめ
なるべくお金をかけずに家を建てたい、そのために、親から譲り受けた農耕地に住宅を建てようと考える人もいるでしょう。
しかし今日紹介したように、畑や田んぼに家を建てるにはいくつかのリスクがあります。
- 地盤が弱いことが多いので、改良工事が必要
- インフラ整備などのコストが掛かる
- 田んぼだった土地に家を建てるのはリスクが高い
また、そもそも土地が農用地区域だった場合、家を建てられないということもあります。田んぼや畑に家を建てる場合は、まずは市役所などで農地転用が可能かどうかを確認し、信用できるホームメーカーに相談しながら進めていきましょう。