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涼しい家は樹木が作ってくれる 自然な風を家の中に取り込むコツ
高機密高断熱の家と高性能のエアコンがあれば、日本の暑い夏は快適に過ごせるかもしれません。しかし外に出た途端、温度差や湿度差にクラっとなってしまう人も少なくはないでしょう。
猛暑の時期には厳しいかもしれませんが、外の気温が快適な時期に窓を開けて外の空気を取り込むことは大切です。そのほうが部屋と外の温度差を慣らしておくことができ、体にも負担が掛かりにくくなります。それを助けてくれるのが庭に植える木々たちです。今日は涼しい家をサポートしてくれる、庭木の選び方や設置場所について紹介します。
1.涼しい家にするためにはどうすれば良い?
近年において、夏は年々猛暑が激しくなっています。また新型コロナウィルスの影響もあり、在宅でずっと家にいなければならないこともあるでしょう。そこで注目されているのが「涼しい家」にするための方法です。まずは一般的な方法について見ていきましょう。
1-1.断熱リフォームがもっとも効果的だけど…
今住んでいる家を涼しい家にするには、断熱リフォームをするのが最も有効です。
- 屋根に断熱シートを設置する
- 床や壁に断熱材を施工する
- 窓を2重窓にして外気からの熱を遮断する
外壁や窓などをリフォームをすると冷暖房費の節約になります。そもそも家の中が暑くなるのは、太陽の熱が屋根や外壁に放射され、室内の天井や壁が温まってしまうからです。断熱リフォームをすれば太陽光からの輻射熱を大きく軽減できるので、涼しい家になります。
しかし断熱リフォームの大きなデメリットは何といってもコストです。窓を一枚断熱性に変えるだけでも数万円の費用が掛かることもあり、ある程度まとまったお金がないと断熱リフォームは難しいでしょう。
参照https://www.house-in-house.com/info/052.html
1-2.エアコンを新しいものに取り換える
エアコンをしてもあまり涼しくないと感じる場合は、エアコンを最新型のものに変える方法もあります。
エアコンを変えるメリット
- 性能が上がり部屋が涼しくなる
- 電気代が安くなる可能性が高い
- 性能が良いものほど電気代が掛からず環境にもやさしい
エアコンをはじめとした家電製品を購入する場合、どうしても値段の安いものに目が行きがちです。しかしコストをかけて最新のものにしたほうが、結果的にエアコンの効きが良くなり、電気代も掛からず涼しい部屋になる可能性が高いです。10年以上経過している場合は新しいエアコンの導入を検討してみても良いでしょう。
1-3.打ち水やカーテンも良いが限界がある
そして涼しい家にするためのあまりコストをかけない方法としては、次のようなものがあります。
- 家周辺の道路や庭に打ち水をする
- 厚手のカーテンにしてエアコンの効きを良くする
- 庭やベランダにシェードを貼って影を作る
- 窓や扇風機を使い空気の通り道を作る
これらの方法をこまめに行うことで、部屋の温度は2~3度ほど下げることが可能です。しかし打ち水などは手間が掛かり、シェードを取り付けるにも高齢者にとっては難しいこともあります。
2.庭木で涼しい家を作ろう
近年家づくりの際に再注目されているのが庭木です。昔は自宅の庭で家庭菜園などをする人が多くいましたが、今は共働き世帯が増えたこともあり、庭に木を植える人が減っています。それどころか庭の草むしり対策や害虫予防として、庭その物をコンクリートにする家も増えてきました。
しかし庭をコンクリートで固めてしまうと照り返しが強くなり、その表面温度は50度にも及びます。また全く草木のない庭は部屋の中を遮る影もないため、冷暖房費がかさむことも分かってきました。
そこで注目されているのが、庭木で家に影を作り、涼しい家にする方法です。庭をコンクリートエリアと草木エリアに分け、高めの木を植林することで涼しい影を作ります。
2-1.庭木には落葉樹と常緑樹がある
庭木に使われる木は、大きく分けて落葉樹と常緑樹があります。
落葉樹:季節ごとに花を咲かせ定期的に葉を落とす大本植物 常緑樹:一年を通じて緑の葉がついている大本植物 |
落葉樹の具体例としてサクラの木があります。サクラは春に満開の花を咲かせ、夏には新緑に変わり、秋になると葉が枯れ、冬には多くの葉を地面に落とします。
そして常緑樹は寒い冬でも葉が落葉せず、年間を通じて葉を付けているように見える木です。
涼しい家にするためのおすすめの庭木は落葉樹です。落葉樹の多くは夏場にたくさんの緑が芽生え、庭に涼しげな影を作ってくれます。そして寒い冬場には葉が落ちるので、庭や部屋の窓に太陽の光が入ります。 常緑樹の場合も夏場は影ができますが、冬になっても葉が落ちず影ができるので、冬場は部屋が寒くなるリスクがあります。
参照https://lowch.com/archives/10910
2-2.南側に植える木と北側に植える木の役割
涼しい家にするための庭木は、方向によって適しているものとそうでないものがあります。「なんとなく見栄えが良いから玄関先にはこの木を」と適当に判断してしまうと、手入れが大変だったり、冬場でも日があたりにくくなったりすることも。庭木は以下のように、それぞれの方向に合ったものを選ぶのが大切です。
東に向いている庭木 | ザクロなどの落葉樹 | 東の方角には朝日をさえぎらないよう、小さな落葉樹がおすすめ |
西に向いている庭木 | レモン、みかんなどの背の高い常緑樹 | 背の高い常緑樹は突風や嵐などから家を守ってくれる |
南に向いている庭木 | ハナミズキなどの落葉樹 | 夏は葉が茂って涼しく、冬は葉が落ちて建物に光が入る落葉樹が良い |
北に向いている庭木 | ヒノキなど背の高い常緑樹 | 寒さに強く風から家を守る |
とくに南の方角は日当たりが良いため、成長しすぎない木を植えることが大事です。小さめで成長がゆるやかな落葉樹なら、暑い夏は葉が茂って木陰を作り、反対に冬は葉が落ちて部屋に太陽があたるようになります。
https://www.clovergarden.biz/garden2/fengshui-tree
2-3.庭木の影と布シェードとの違い
しかしわざわざ庭木を植林しなくても、布などのシェードを庭やベランダに設置すれば、ある程度暑さは軽減できるでしょう。庭木とシェードそれぞれのメリットデメリットは次のようになります。
メリット | デメリット | |
庭木 | 見た目も美しい
庭や2階など広範囲にわたって影を作る 設置する手間がない 台風にも強い |
剪定の手間が掛かる
害虫が発生することも |
シェード | 植林の手間なく好きな場所に日陰を作ることができる
価格が安い デザインが豊富 |
影はできても涼しさは木に劣ることも
台風時には取り外す必要がある |
シェードでも夏の暑さを軽減することはできますが、設置や取り外しの手間が掛かります。その点庭木なら設置する手間は掛からず、季節によって美しい花々を楽しむこともできるでしょう。
ただ庭木によっては害虫予防や、剪定などの手間も掛かります。どちらが良いのか状況によって判断し、場所によっては両方の良さを取り入れてみると良いでしょう。
3.涼しい家にするための庭木 おすすめの種類
涼しい家にするために庭木を植える場合は、日当たりの良い南側や西日の強い西側に落葉樹を植林するのがおすすめです。いろいろな庭木がありますが、ここではとくに涼しい家にするための役立つ木々について紹介します。
以下参照https://green-rocket.jp/post/4
3-1.シマトネリコ(常緑)
シマトネリコは別名タイワンシオジという暑さに強い植物です。 日本では沖縄県を中心に分布する常緑高木です。南国原産のため、強い日差しにも負けず、密に生えた葉っぱが強い夏の日差しを遮ってくれます。
葉が細かくきれいなため、圧迫感がないのも特徴です。そのため観葉植物としても人気があり、育てやすいです。見た目の美しさと機能性を兼ね備えた植物ですが、寒さには苦手です。北側の日の当たらない場所や、寒冷地には向いていません。
3-2.ヤマボウシ
ヤマボウシは落葉樹の中でも日差しに強い庭木です。夏には美しい花を咲かせるため、見た目的にも人気があります。枝が広がりで木陰ができやすいヤマボウシは、真夏の日差しも西日もしっかりと受け止めます。
やや厚みのある葉っぱと成長した枝のおかげで、夏場のヤマボウシのそばに行くと涼しさを感じることができるでしょう。花も実も紅葉も美しい楽しめる樹木なので、人目につきやすい玄関先に植えるのもおすすめです。
3-3.オリーブ
オリーブの木は洋風のイメージを持たせてくれる風貌から、昔から玄関先に植えるシンボルツリーとしても人気があります。そのうえ強い日差しと乾燥にも強いため、夏場の日差しを防いでくれる庭木として活用することもできるでしょう。またハーブの種類でもあることから虫が付きにくいというメリットも。ただ非常に成長が早いので、なるべく広い場所に植えることや、こまめな剪定が必要になります。
4.まとめ
涼しい家にするためには、家の断熱性を高めたりエアコンを交換したりと、何かとコストが掛かります。しかし日差しが差しこんで家が熱い場合は、1本の庭木を植えて日差しを遮ってみてはどうでしょうか。今日紹介した庭木の多くはホームセンターで売られていることが多く、手軽に植林できるのも魅力です。
ただ庭木には植える場所によって適しているものがあり、大きな樹木を植林するときにはホームメーカーや庭師などに相談するのがおすすめです。植林する場所や窓との位置、そして家とのデザインバランスを考え、ぜひ夏を涼しくしてくれる我が家にあった庭木を選んでみましょう。