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大きくて存在感のあるピアノ 部屋を狭く感じさせない置き場所は
習い事で昔も今も人気があるのはピアノです。ピアノは習うことで頭の体操になり、音楽に触れることで感性を磨けるといわれています。
せっかくレッスンに通っているのだから家にも置きたいと思うのは当然でしょう。しかしピアノは想像以上に大きく、置き場所に困る、という人も多いです。そこで今回は、大きなピアノをどこに置けばよいのか、圧迫感の出ない部屋にするためにはどうすれば良いのか、詳しく紹介します。
1.ピアノ置き場は1畳のスペースが必要
一般家庭に置かれるピアノはアップライトピアノと呼ばれるものです。
アップライトピアノは幅およそ150㎝、 奥行60㎝、高さ120㎝程度と、かなり大きいです。これだけでも半畳ほどの面積が必要であり、椅子に座って練習することを考えると、一畳ほどの広さが必要になります。 そのためピアノを置く家庭の多くは、家の中でも面積の広いリビングに置くことが多いです。
1-1.ピアノは湿度に弱い楽器
広いスペースが必要なピアノですが、ただ空いている場所に置けば良い、ということではありません。
ピアノは急激な温度や湿度の変化に弱く、理想的な環境は室温15〜25度、湿度50%〜70%程度といわれています。そのため直射日光の当たる窓際や、エアコンの風が直撃するような場所に置くのはNGです。ピアノは急激な温度や湿度の変化の影響を受けると、音が狂ったり、鍵盤が割れたりする原因にもなります。
どうしても直射日光の当たる場所に置かなくてはならない、といった場合は、厚手のカーテンなどで対策をしましょう。エアコンが近い場合は、風向きをかえて直接ピアノに当たらない配慮も必要です。
参照 https://www.kawai.jp/support/buy/advice/
1-2.騒音にも配慮が必要
そしてピアノを置くときの最も大きな注意点は音です。
ピアノの音は背面からダイレクトに流れるため、壁にピッタリ沿って置いてしまうと、お隣の家に音が漏れてトラブルになるでしょう。騒音問題にならないためには、以下のポイントを覚えておきましょう。
- 壁側に置く場合は、外壁ではなく内壁に置く
- 壁から少し離し、防音パネルなどを背中部分に取り付ける
- 窓やカーテンを防音効果のあるものにする
ピアノの多くは壁側に置くものですが、壁の向こうが外よりも、廊下側といった内側の壁に設置したほうが、外部に音は漏れにくいです。どうしても外壁側に設置する場合は、ピッタリとピアノを壁につけるのは避け、防音パネルを設置しましょう。とくにマンションでは音に対する配慮が必要です。
2.部屋に圧迫感を出さないピアノの置き場所とは
このようにピアノの基本的な置き場所は、高温多湿な場所を避け、音が漏れないよう配慮することが大事です。
ピアノの置き場所でもう一つ困るのは「部屋の印象が変わる」という点です。
ピアノはにテーブルやテレビよりも大きく、色もダークなものが多いので圧迫感があります。ピアノを置いたせいでなんだか部屋全体が暗くなってしまった、そんな悩みを持つ方は多いです。ここからは、ピアノと家具のバランスを考え、部屋に圧迫感を出さない方法を紹介します。
2-1.白い壁を見せるのがポイント
多くの部屋には、内装に白いクロスが貼られていると思います。部屋に圧迫感を出さないためには、この白い壁をいかに見せるかがポイントです。
一般的なアップライトピアノは黒いことが多く、白い壁の中心にピアノを置くだけで圧迫感が増します。またピアノのそばにテレビボードや収納があると、さらに白い壁が隠れ、部屋が狭くなってしまうのです。
2-2.ピアノは大きな家具のそばに置かない
部屋全体の圧迫感をなくすのなら、大きな家具のそばにピアノを置かないことです。
リビングに多い大きな家具といえば、テレビやテレビ台、収納棚や食器棚などがあります。これらがある場所にピアノを置くと、白い壁が余計に隠れ、部屋全体が暗くなります。
部屋を広々と見せるためには、横一列に家具が並んだ状態を避け、それぞれ離して別の壁にレイアウトするのがおすすめです。
2-3.ピアノが原因で部屋がせまくなる場合は
しかし、状況によっては大きな家具のそばにピアノを置かなくてはならないケースもあります。ピアノが原因で部屋が狭い、圧迫感が増す、そんなときは次のことを試してみましょう。
- ダイニングテーブルやソファーを小さくする
- テレビの位置を変える
ダイニングテーブルやソファーは大きければ大きいほど使いやすいといったイメージもあります。しかし近年ではコンパクトでもしっかり座ることのできる製品が増え、テーブルやソファーを小型にすることで、リビングの動線がスムーズになるケースも多いです。
また、テレビは家具のなかでも配置換えしやすく、見る位置を変えることによってピアノと離すこともできます。とくに、ピアノとテレビが横並びだと、ピアノの練習中は家族がテレビを見れないという問題も起こります。ピアノとテレビの位置を対角線上に置くと部屋もスッキリするので、可能であればテレビの位置を検討してみましょう。
3.ほかにもある ピアノの置き場所の注意点
ピアノは昔は高級品でしたが、いまではマンション向けの音が小さいピアノや、お手頃価格の中古ピアノも流通し、子供に習わせようと購入する人も増えています。
ただ「とりあえずここに置けばよい」という考えだと、次のような失敗をしてしまうケースもあります。
3-1.スイッチやコンセントに注意
ピアノを置いたことによりその部屋のスイッチやコンセントが隠れてしまうケースがあります。
先ほど紹介したように、アップライトピアノの平均的な高さは120~130㎝ほど。小学生ぐらいのお子さんが立っているほどの高さになるので、スイッチは簡単に隠れてしまいます。
ピアノのほとんどは壁に向けて置くので、スイッチやコンセントが隠れないようあらかじめ配慮しましょう。ちなみにピアノは床に直接置くものではなく、敷板のうえに置くので2cmほど高くなります。コンセントならそこからつなげることもできるので、延長コードなどを使ってうまく電器をつなぐ家庭も多いです。
参照 http://www.toriimusic.co.jp/8634/
3-2.くぼみにピッタリピアノをはめるのはNG
最近多くて注意したいのが、階段の下部分などをリフォームし、ピアノがピッタリはまるようなくぼみのスペースにピアノを置くケースです。
ピアノがすっぽりハマるようなスペースがあれば、とても便利なようにも見えます。しかしくぼみ部分にぴったりピアノをはめてしまうと、調律ができなくなってしまうのです。
特に上の空間がピアノのサイズぴったりになっていると、天屋根を開けることができず、調律や修理ができません。調律のたびに200㎏のピアノを動かさないといけないので、非常に大変です。ピアノはピッタリとハマる場所に置くより、調律ができる場所に置くことが大切です。
ちなみに、調律不要の電子ピアノなら、くぼみに置いてもほとんど問題はありません。置き場所によってはアップライトピアノより、電子ピアノのほうが向いているケースもあります。
参考 https://www.toriimusic.co.jp/9998/
3-3.ピアノのうえにはなるべく物を置かない
ピアノを物置きにしてはいけません。楽譜など最低限のものは置いても良いですが、ピアノのうえに物を置いたことによる、次のような失敗例は多いです。
- 飲み物を置いてこぼしてしまい、音が出なくなった
- ピアノの上でアロマを炊いて、ピアノを焦がしてしまった
- 日焼け止めがこぼれて、ピアノが変色してしまった
- ピアノカバーで数年覆っていたら、カビが生えてしまった
立った時にちょうどよい目線になるアップライトピアノは、つい物を置いてしまうこともあるでしょう。しかし、そもそも弾いているときに音が振動して揺れるので、水などを置くことは厳禁です。
また、ピアノカバーで全体を覆ってしまうのも、ピアノに湿気がこもるので良くありません。毎日弾くためにも、ピアノには基本的に物を置かず、乾いたタオルでお手入れしてあげましょう。
まとめ
ピアノ置き場にはいくつかの配慮が必要です。騒音を出さない配慮はもちろん、温度や湿度のダメージも考慮し、ピアノを長く使い続けるための場所を検討しましょう。
また、ピアノの多くは大きく、色もダークなものが多いので、部屋に圧迫感を与えてしまいます。壁が多く見えた方が部屋は広く見えるので、ダークで大きい家具や家電は分散して置くことがポイントです。ぜひ納得のいく場所にピアノを配置し、音楽で毎日の生活を豊かにしていきましょう。