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和室に板張りがあると便利 畳の一部を板張りにするメリットを紹介
畳の部屋には極力家具を置かないで、すっきりとさせておくのが美しい形なのかもしれません。でも、暮らしには細々とした物が付き物です。すぐに手が届き、収納する家具もあったほうが生活が楽になるでしょう。しかし畳に家具を置くことで気になるのが変色や凹みです。その心配を解決してくれるのが、畳の一部を板張りにするという方法です。
ここでは和室のメリットやデメリットを再考し、そのうえで畳の一部を板張りにする方法についてご紹介します。
1.畳がある家は全体の7割にも及ぶ
畳のある家といえば昔ながらの住宅を思い浮かべるかもしれません。しかし実際にそうではなく、ある住宅調査会社が調べたところ、和室や畳のある家に住んでいる人の割合は全体の70%にも及びます。 年代が上がるにつれ畳のある家に住んでいる人は多いのですが、実は20代の単身者でも、畳のある部屋に住んでいる人は半数以上に及ぶのです。
参照 https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/14/news010_2.html
1-1.畳があるとうれしい理由とは
「畳のある部屋にこれからも住みたいか」というアンケートでは、住みたい、やや住みたいと答えた方の割合はおよそ7割にも及びました。その理由は以下の通りです。
- 気軽に寝転がることができる
- 畳の匂いが好き
- 畳自体が好きでこれまでも和室のある家に住んできたから
畳は日本人が古来から引き継いできた生活様式スタイルです。そのため、一人暮らしをしていて今はフローリングしかないが「実家に帰って畳の上に座ると安心する」と言う意見も多いです。畳に慣れ親しんでいるからこそ、これからも畳のある部屋に住みたいと考える方が多いのでしょう。
1-2.畳のメリットは?
家に畳があると次のようなメリットがあります。
- 断熱性や調湿性能に優れているため、高温多湿の日本に合っている
- い草の香りはリラックス効果がある
- フローリングと違い寝転んだ時に体が痛くなりづらい
- 音を吸収する効果があるので子供やペットがいる家庭にも向いている
畳には高い断熱効果や遮音効果があります。冬の寒い時期には、フローリングの上に直接座るより、畳の上に座った方があたたかさがあるでしょう。また畳の原材料である「い草」はクッション性があり、遮音効果もあります。ペットや子供が暴れても下の階には音が響きにくいので、子育ての観点からしても畳にはメリットがあります。
1-3.畳のデメリット
その一方で、畳には次のようなデメリットがあります。
- カビやダニが発生しやすい
- 凹みやすく汚れやキズがつきやすい
- 定期的なメンテナンスが必要
吸水性に優れている畳ですが、水などをこぼしてしまうとあっという間に吸収し、そこからカビが発生しやすくなります。フローリングと違ってイグサに入り込んだ汚れは落ちにくく、水ぶきでもきつく絞った雑巾を使わないと、カビが生える原因になるでしょう。
また、い草自体が柔らかいので、重い家具を置くと畳がへこんでしまいます。しかしこれらの欠点を改善する方法として、和室の一部を板張りにすることが注目されています。
2.和室の一部を板張りにすると便利
和室の一部を板張りにする方法とは、部屋の床を畳で覆うのではなく、端の方だけをフローリングにする方法です。上記の写真は旅館の和室を撮影したものですが、 壁側の方は畳ではなく、フローリングになっていることがわかります。このように和室の一部を板張りにすると次のようなメリットがあります。
参照 https://ameblo.jp/greengreenpig/entry-12673742718.html
2-1.濡れやすいものが置ける
床を全て畳ではなく、一部だけフローリングにしておくと、その上に濡れやすい物を置くことができます。
旅館の板張りでよくあるのが、温泉に使った濡れたタオルを干すスペースです。 小さな物干しが板張りスペースに置かれ、そこにタオルを干すことで畳に水が垂れるのを防いでいます。万が一濡れタオルが床に落下しても、畳のように一気に水分を吸収しないため、カビやダニの発生を予防することができます。
また畳のある部屋を寝室にしている人も多いでしょう。寝ているときに喉が渇き、枕元にコップをおきたい場合も、板張りのスペースがあると便利です。 仮にコップを倒してしまっても、板張りの上ならすぐに拭く事ができます。
2-2.家具を置きやすい
板張りスペースは家具を置くときも便利です。
先ほど紹介したように畳は全体的にやわらかいため、重い家具を置くと底が凹んでしまいます。また変色もしやすいため、模様替えをして家具を移動すると、畳がへこんでいたり、色が変わったりして見た目もよくありません。
その点、和室の一部が板張りになっていれば、そこに家具を置いて変色や床のへこみを防ぐことができます。
2-3.見た目がおしゃれになる
板張りスペースは見た目の印象も変えてくれます。畳だけを敷き詰めた部屋は定番の和室というイメージですが、板張りスペースがあると部屋が仕切られ、モダンな印象を与えます。
最近ではフローリングの上に置き畳を置いて、和室を演出するインテリアが流行っています。板張りはその逆で、畳の一部をフローリングにする方法ですが、こちらも畳とは一味違うカラーがアクセントとなり、その部屋ならではの個性を出すことができます。
2-4.板張りスペースが広いと食事や遊ぶスペースもできる
板張りはもともと「板畳(いただたみ)」とも呼ばれ、和室で食事を取る人のスペースとして活用されていました。畳のは水分や汚れを吸収しやすいので、食事をしてこぼすたびに畳が汚れてしまいます。しかし広めの板張りスペースがあれば、そこで食事をしてこぼしても掃除しやすく、汚れにくいです。
また、小さなお子さんがいる場合、畳だとミニカーやビー玉を転がしにくいです。その点、板張りスペースがあればそこが子供の遊べる場所になります。板張りスペースで転がすおもちゃを使って遊べるうえ、疲れた時は畳の上で昼寝ができます。畳+板張りは、子育てにもやさしい環境でしょう。
3.これから畳の一部を板張りにする方法
板張りは、家を建てた時点で畳のスペースが若干あまり、そこに板を入れて板張りスペースにする、というのが多いです。
しかし完成している和室に、これから畳の一部をフローリングにして板張りスペースを作ることも可能です。
参照 https://kico-reform.com/interior/washitu-flooring/
3-1.畳を剥がしてフローリングに張り替える
和室の一部を板張りにするにする場合、必要な畳だけをはがし、フローリングに張り替える方法があります。
この場合、畳をはがしたあとは段差になってしまうので、断熱材などを入れて高さを調整し、そのスペースに合ったフローリングを一枚ずつ張ります。
DIYでも簡単にできそうですが、うまく施工しないと設置したあとに床鳴りや床の沈み込みといったトラブルも起こります。上級者むけの施工なので、初心者の方が行うには難しいでしょう。
3-2.畳の上からフローリングを敷く
簡易的な板張りスペースを作りたいのなら畳の上にフローリングを敷く方法もあります。
DIYで行うフローリンググッズには、5 mm 程度の薄い床材を置くだけで設置できるタイプもあります。畳をはがす必要もなく、欲しいスペースに床材を置くだけで、簡易的な板張りスペースの完成です。
ただし畳の上にフローリングを敷くことにはもちろんデメリットもあります。畳の上にフローリングを敷いて使い続けていくと、畳が湿気を吸い込みカビが発生します。そのためこまめにフローリング箇所をはがして、湿気対策をしたり、掃除機をかけたりする必要もあるでしょう。あくまで、とりあえず飲み物を置くスペースがほしい、といった人におすすめの施工方法です。
3-3.敷くだけのフローリングマットもある
「和室の部屋を洋風に模様替えしたい」そのような人に人気なのが、畳の上から敷けるフローリングマットです。
フローリングマットはウッドカーペットとも呼ばれ、賃貸住宅でも手軽にリフォームできるアイテムとして注目されています。このフローリングマットを希望のサイズにカットして貼り付ければ、こちらも簡易的な板張りスペースができます。
ただ簡単にできる分「畳との間に隙間ができる」「見た目がいまいち」「畳にカビが生えやすい」といったデメリットも生じます。こちらも、あくまで簡易的な板張りスペースがほしい方に向いているでしょう。
3-4.やはりプロに施工してもらうのがおすすめ
畳の一部をフローリングにして板張りスペースを作るのなら、やはり施工会社に委託するのがいちばんおすすめです。
畳をはがして板張りスペースを作るには、その土台となる下地がしっかりしているのか確認が必要であり、施工後の床鳴りや床の沈み込みを回避するためには、精巧な技術が必要です。
一般的に6畳の畳をフローリングに変える場合、予算はおよそ22万~30万円程度です。板張りの場合はもっと小さなスペースなので、予算はさらに抑えることが可能でしょう。畳を張り替えて作る板張りスペースなら、段差やスキマもおきず、カビが生える心配もありません。和室を本格的にリフォームする場合は、やはりプロに任せたほうが安心です。
4.まとめ
一般的な和室の床は全て畳でできていますが、旅館などに行くと畳の一部が板張りになっています。板張りスペースがあると、ちょっとしたものを乾かしたり、水などを置くスペースが確保できたりして便利です。
畳の部屋で生活するうえで、下に物を置けずに不便を感じる、へこみが気になるといった場合は、畳の一部を板張りにするのがおすすめです。板張りは生活を楽にするだけでなく、見た目のアクセントにもなって、素敵な空間を作り上げてくれるでしょう。