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クローズドキッチンでレストラン風に キッチンを独立させるメリット・デメリット
ここ数十年、ダイニングやリビングと一体化したオープンキッチンが好まれていましたが、近年注目を浴びているのはクローズドキッチンです。
クローズドキッチンとは、リビングやダイニングとは区切られた空間にあるキッチンのこと。お客様が来た際にも、リビングからキッチンを見られることがないので、生活感を出さないといったメリットがあります。
ここからはクローズドキッチンを検討している方にお話ししたいメリットやデメリットを紹介し、今後キッチンのリフォームを検討している人へのアドバイスもご紹介します。
1.キッチンの考え方は時代とともに変化している
キッチンは家の中でも大きな役割を果たし、家族が円満に過ごせるための場所として昔から使われてきました。また時代とともにキッチンへの考えは変化し、形を変えています。
1-1.昔は主婦だけが入る場所
1940年代のキッチンは土間と呼ばれ、主に女性が炊事や家事をするのが一般的でした。「男子厨房に入るべからず」という言葉があったように、料理をするのは主に女性の仕事だったのです。土間は玄関のそばにあり、居間とは離れたスペースにあったので、現在でいうクローズドキッチンのような存在でした。
ちなみに「男子厨房に入るべからず」という言葉は、男性は料理をしなくてよいという意味ではありません。諸説あるものの、日本の神話の中に食べ物の神様がスサノオノミコトに殺されてしまった話から、食事を崇める台所に男性は入らない方が良い、と言う逸話が残ったとされています。それが男性にとって都合よく解釈され、男性は料理をしなくてよい、という言い伝えになってしまったと考えられています。
1-2.時代とともにオープンキッチンが主流に
土間が主流だった時代を経て、戦後に入ると、人口増加の影響もあり集合住宅が建てられます。
集合住宅の多くは西洋式の食卓や椅子を取り入れ、ダイニングキッチンが主流となりました。元々狭いスペースを有効活用するため、食事をする場所と台所が一体化されたのです。そのため、土間のような独立したキッチンではなく、リビングとキッチンが一体化するようになりました。
そして現在では、料理は女性がするものだという考えは払拭されつつあります。
キッチンは人が集まりコミュニケーションを図る場所として、リビングと一体化したオープンキッチンが主流になってきました。家のどこからでもキッチンが見えるよう配慮され、家族のコミュニケーションが取りやすくなっています。
1-3.キッチンを見せたくない家も増えてきた
オープンキッチンは現代の家で多く取り入れられていますが、それと同時に様々な問題も起きてきました。
オープンキッチンのデメリット
- 家中からキッチンが見えてしまう
- 調理中の音や匂いがリビングに届く
- 油汚れが散乱し、エアコンなどが汚れる
- 開放感がある分、収納スペースが少ない
共働き世帯が増えていることもあり、キッチン周りをしっかり掃除できている人は少ないです。来客があったときに、乱雑なキッチンが丸見えになってしまうのが嫌だという方も少なくありません。
そしてオープンキッチンは想像以上に汚れが飛び散っています。リビングの床が油でベタベタする、エアコンのフィルターが汚れやすいというのは、キッチンからの油ハネが原因です。
参照 https://www.iwakura-home.co.jp/info/muroran/open-kitchen-features
2.クローズドキッチンが注目されている
オープンキッチンのデメリットを受け、近年クローズドキッチンが注目されています。
クローズドキッチンはキッチン自体が独立した部屋のようになっており、壁が多いぶん、収納場所が多いといったメリットもあります 。
2-1.クローズドキッチンのメリット
- 来客時にキッチンを見られることがない
- 散らかったままにしておいても生活感が出にくい
- 換気性能が高く汚れにくい
- 人の視線を感じないため料理に集中できる
- 壁が多いぶん収納スペースが豊富
クローズドキッチンはその部屋自体が独立しているため、使い勝手が良く、油汚れがリビングに飛び散るといったこともありません。まさに料理をするための集中したスペースなので、作業効率もアップするでしょう。
2-2.クローズドキッチンのデメリット
- リビングからエアコンの冷風が届かないと暑さを感じることも
- 家族の様子を見ることができない
- 料理をリビングに運ぶ手間が掛かる
一般的にキッチンにはエアコンがないので、夏場はとても暑くなることがあります。オープンキッチンならリビングのエアコンから冷風が届きますが、独立型キッチンはそうしたメリットがないので、暑い地域には向いていないケースもあるでしょう。
そして独立したスペースなので家族と顔を合わせることができず、料理を運ぶ際の手間もかかります。
2-3.アイランドキッチンでも後悔している人は多い
ちなみにクローズドキッチンの逆といえば、開放感のあるアイランドキッチンです。アイランドキッチンとは調理スペースが島のように独立していることからこの名が付いています。
とてもスタイリッシュで洗練されたアイランドキッチンですが、以下のような理由で設置後に後悔している人も少なくありません。
- 思ったよりリビングが狭くなった
- コンロ周りに壁がないため油ハネがひどい
- 匂いが部屋中に充満する
- 換気扇の音で会話やテレビの音が聞こえにくくなる
- 子供が入りやすいため危険が多い
どのキッチンもメリットとデメリットはありますが、アイランドキッチンは周辺に壁がないぶん、掃除の手間は非常に増えるでしょう。各キッチンの特徴を踏まえ、クローズドキッチンにするか、ほかのキッチンを選ぶか、慎重に検討する必要があります。
参照 https://www.healthy-home.co.jp/column/2902/
2-4.クローズドキッチンに向いている人とは
アイランドキッチンとは真逆の、独立したスペースであるクローズドキッチン。このキッチンに向いている方は次のようなタイプです。
- テレビや他の人の視線を気にせず料理に集中したい方
- 調理器具や食品の保管場所を多く必要としている方
- 見せる収納が苦手な方
- リビングの床掃除などを楽にしたい方
- 見た目より機能性を重視したい方
クローズドキッチンは、料理に集中したい方や、掃除にあまり手間を掛けたくない方に向いています。リビングからキッチンが見えることもないので、他の人の目を気にせず料理に集中できます。上記のポイントに多く当てはまる方は、今後キッチンをリフォームする際、クローズドキッチンを検討してみても良いでしょう。
3.キッチンをリフォームする際の意外なポイント
キッチンは家の中でも劣化しやすく汚れやすい場所です。一般的には15年から20年を目安にリフォームをした方が良いと言われています。
ここからはキッチンをリフォームする際に覚えておいてほしい、意外なポイントについてご紹介します
3-1.レンジフードの前には壁があったほうが良い
キッチンには色々な形がありますが、掃除を楽にすることを考えたら、コンロやレンジフードの正面には壁があった方が良いです。オープンキッチンであっても、コンロやレンジフードの前に壁があった方が部屋に油汚れが飛び散るのを防げます。
ガスで調理した場合、油ハネは360度に広がり、その距離は3mにも及ぶと言われています。部屋に油汚れを拡散させないためにも、どのようなキッチンの形であれ、コンロやレンジフードの正面には壁があったほうが良いです。
参照 https://www.renoco.jp/knowledge/334/
3-2.クローズドキッチンなら小窓を付けてテーブルにつなげる方法も
クローズドキッチンのデメリットとして、ダイニングやリビングと離れているため、作った料理を運ばなくてはならないということがあります。
これが面倒な場合は、クローズドキッチンとダイニングの壁の間に小窓を作り、配膳のための運ぶ動線を作りましょう。小窓があれば食べ終わった食器もスムーズにキッチンに運べ るので合理的です。これからクローズドキッチンを作る場合は、リビングまでの動線や小窓の設置も考慮しましょう。
3-3.キッチン家電の置き場所に配慮する
キッチンに置ける昔と大きく変わった点は「キッチン家電の量が増えた」ということです。昔は炊飯器や電子レンジが主なキッチン家電でしたが、現在では以下のようなキッチン家電があります。
新しく増えたキッチン家電の種類
コーヒーメーカー、トースター、スチームオーブンレンジ、ケトル、電器圧力鍋、ブレンダー、フードプロセッサー、フライヤー、ホットプレート、タコ焼き機 など |
すべての家電を置く必要はないものの、あったら便利なものは多いです。リフォームする際は家電を置くスペースを考慮し、置き場所に余裕を持ってリフォームを検討しましょう。
4.クローズドキッチンで料理を楽しく作ろう
昔はキッチンとリビングが離れていることが多く、いまも再びクローズドキッチンが注目されています。
配膳の手間が掛かるといったデメリットはあるものの、そうしたデメリットも計算してクローズキッチンを作れば、メリットの高いキッチンを設置できるでしょう。
料理に集中でき、他人の目も気にならないクローズドキッチン、これから水回りのリフォームを検討の際は、ぜひ独立型キッチンも考慮していきましょう。