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重力換気は窓から光と空気を効率よく取り込む方法
家を建てる敷地の大きさや近隣の環境条件によって、窓の大きさを制限しなければならない時があります。プライバシーは守りたいが、光や新鮮な空気の流れも諦めたくない。換気は新型コロナウイルスの影響もあり、私たちが生活するうえで必要不可欠な行動となりました。そこで知って欲しいのが「重力換気」という方法です。
1.重力換気とは?
重力換気とは低い位置から高い位置へと移動する空気の性質を利用した換気のことです。
例えば冬の寒い日に暖房をつけると暖かい空気は上にたまりますよね。重力換気はこの温かい空気が上にたまる性質を活かしてうまく空気を循環させる方法であり「温度差換気」とも呼ばれています。
部屋において低い位置にある窓と、高い位置にある窓を同時に開けることにより、低い窓から冷たい空気を入れて暖かい空気を高い窓から排出することができます。
参照 https://tokyo-chumon.com/custom_home/ventilation_moisture_adustment/3185
1-1.重力換気のメリット
重力換気のやり方を知っておけば、広い窓を設置できない狭小住宅などにおいても、効率的に換気ができます。
重力換気のメリット
- 狭い住宅に上下バランスよく窓を設置することで換気ができる
- 窓を全開にしなくても空気の入れ替えができる
- エアコンをつけているときも効率よく換気ができる
例えば家の吹き抜け部分の上部に窓があれば、夏場にはあったまった空気が上昇し、下の窓を開けることで最上階から熱い空気を放出させることができます。そして冬には1階で温まった暖房の空気を、ゆるやかに上部に届けて家全体を温めることも可能です。都会の狭小住宅においては、この重力換気を計算して窓の位置を取り付け、暖房効率を上げる家づくりが増えています。
参照 https://www.yama-kk.com/information/%E9%87%8D%E5%8A%9B%E6%8F%9B%E6%B0%97/
1-2.重力換気は小さな窓でも機能的
重力換気のメリットは、大きな窓でなくても効率よく換気ができることです。つまり小さな小窓が上下にあれば、その2か所を通じて部屋の空気を循環することができます。
窓は大きければ大きいほど新鮮な空気が取り込める、というイメージもあるでしょう 。しかし実際には、お隣との距離が近すぎて窓が開けられなかったり、窓が道路に面していて外が丸見えになったりと、大きな窓は不要なケースも多いのです。 重力換気の方法を生かすことにより、小さな窓しか設置できない家も機能的に換気ができます。
1-3.重力換気の実践方法
重力換気のやり方はとても簡単です。下にある窓と、上部にある窓を同時に開けるだけです。
例えば「地窓」と呼ばれる床に近い低い位置の窓があればそこを開け、同時に上部にある窓を開けます。
地窓や上部の窓がない、という場合でも、例えば2階建ての家なら2階の窓と1階のリビングの窓を開けるだけでも重力換気の効果はあります。
換気はその部屋にある窓を2箇所開けるやり方が一般的ですが、ぜひ重力換気も取り入れましょう。1階と2階の窓を開けるといった重力換気を取り入れると、家全体の空気を効率的に循環することができます。
参照 https://skogno-ie.jp/column/post-44.shtml#h42skjuqtjfwkmw5o61734z9l1y7waof
2.換気の重要性はこんなところにも影響がある!
重力換気が注目されるきっかけは、やはり新型コロナウイルスの影響があります。もはや感染予防には欠かせなくなった換気ですが、換気はウイルス対策だけではなく、健康に大きな影響があるのです。
以下参照 https://hikarinobe.com/contents/ventilation-method-17258
2-1.快適な睡眠のためにも換気は必要
質の良い睡眠を取るには「寝室の換気が必要」ということが分かっています。
寝室の換気をするメリット
- 酸素濃度が増えて快眠につながる
- 湿気を逃す
- ウイルスの予防対策になる
- 脱臭作用がある
日本は先進国の中でも睡眠に悩みを持つ人が非常に多いです。睡眠不足になる原因は様々ありますがそのうちの一つに「寝室の換気をしてない」ということが分かってきました。
寝室を閉めっぱなしにして空気の循環をさせないと、二酸化炭素の濃度が増え、途中で覚醒したり、なかなか寝付けないことが各実験で分かっています。 とくに一緒に寝ている人数が多いほど二酸化炭素の濃度は増えるので、寝つきが悪くなるなど睡眠トラブルが起こりやすいのです。
寝る前の5分は寝室の窓を開けて、空気の循環を取り入れましょう。もちろんここでも寝室の上下の窓を開けたり、1階と2階の窓をあけて重力換気を行うのがおすすめです。
2-2.換気は家を守ってくれる
最近の新しい家は24時間換気機能がついていますが、古い家の場合はその機能がついていないこともあります。家の換気をまったくしないと、次のようなデメリットが生じます。
- 除湿されず家具がカビてしまう
- 湿気がこもることで家全体の劣化につながる
- 床や窓に結露が生じる
例えば新築のマンションの場合は「24時間換気があるので自らの換気はしなくても良い」と思うかもしれません。
しかし実際にはマンションなどの集合住宅のほうが気密性が高いため、まったく換気をしないと湿度がこもり、結露を生じやすくしてしまうのです。これは24時間換気が機能していても、炊事やお風呂などで発生する湿度により、カビや結露が生じやすくなります。
大切な家を守るためにも、できれば1時間に1回は窓を開けて空気の入れ替えを行いましょう。
3.意外と知らない 換気を行う際のコツ
ここまで、重力換気のやり方や、換気を行う上で健康に与える重要性などを紹介してきました。とりあえず「上下の窓を意識して開ける」「1時間に1回を目安に窓を開ける」ということがお分かりになったかと思います。
ただし、重力換気をはじめ、家の空気を効率よく循環させるにはさらなるポイントがあります。ここからは、換気をするにあたってぜひ覚えてほしいポイントを3つご紹介します。
以下参照 https://hikarinobe.com/contents/ventilation-method-17258
3-1.換気時間は短くこまめに
寒気は長ければ長い時間行えばよい、ということではありません。例えば一日に一回30分の換気をするより、1回につき5分程度の換気をこまめに行った方が良いのです。
特に今回ご紹介している重力換気の場合、上下の窓を開けることにより5分程度で部屋全体の空気を入れ替えることができます。
夏場エアコンをつけているときや、冬の暖房時も、短期間の換気のほうが部屋の温度をキープできます。電気代の節約にもなるので、換気は1時間に1回5分程度をこまめに行いましょう。
3-2.湿度が低い時間がおすすめ
換気をする目的の1つに、部屋の湿気を逃すことがあります。そのため、換気を行うのは以下のような時間帯がおすすめです。
季節 | 湿度が低い時間帯 |
春夏 | 12〜16時 |
秋冬 | 12〜14時 |
この時間帯はいずれも太陽が高くのぼる時間であり、たとえ湿度の多い日でも太陽光の影響で湿度が抑えられます。毎日は難しいかもしれませんが、せめて休みの日にはこの時間の換気を行うようにしましょう。
3-3.扇風機やサーキュレーターを活用しよう
「窓が1箇所しかない 」「密接した集合住宅のため、なかなか窓を開けられない 」このようなケースは多いです。
空気をうまく循環させるには窓を2か所開けることが大切ですが、それが難しい場合は扇風機やサーキュレーターを利用しましょう。
まずは開けられる窓をあけて、そこから扇風機やサーキュレーターの風を使い、室内の空気を放出させます。これにより自然と部屋の空気が窓から逃げて、新鮮な空気を循環させることができます。
また扇風機やサーキュレーターを使う換気方法は、靴箱やクローゼットなど湿気のたまりやすい場所にもおすすめです。定期的に風を送ることにより溜まった湿気を逃し、ダニやカビの予防にもなります。
4.重力換気を覚えて部屋の空気を入れ替えよう
重力換気は空気の性質を利用した換気のことであり、上下の窓を開けることによってうまく空気の流れを促すことができます。1つの部屋における上下の窓を開けるのはもちろん、2階の窓と1階の窓を同時にあけて、家全体の空気を入れ替えることも可能です。
空気のよどみは、想像以上に私たちの健康や家の維持に悪影響を及ぼします。窓の効率的な開け方を覚え、今日からたくさん新鮮な空気を取り入れていきましょう。