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平屋はプライバシーがない?外と内側のプライバシーを守る方法
平家に限らず、1階部分は敷地にある程度の余裕がないと家のそばを通る人の目線が気になります。塀で囲むという方法もありますが、家の中から外を見る時の開放感が削がれてしまうでしょう。開放感を保ちつつプライバシーを維持するにはどのような方法があるのでしょうか?
ここでは平屋を建てるうえでのプライバシーを確保する方法や、住んでいる家族同士のプライバシーを確保する方法をご紹介します。
1.平屋はプライバシーの確保が難しいケースがある
平屋は2階がないぶん、スムーズな動線が確保でき、風通しも良い物件として再注目されています。平成の時代ではほとんどニーズの少なかった平屋ですが、高齢化が進み2階に上がるのが大変だと考える人が増え、平屋人気が高まっているのです。国土交通省「建築着工統計調査」によると、2015年頃から平屋の着工件数は増えており、全体の17%を占めるようになりました。
しかし平屋が再び注目される分、以下のような理由でプライバシーの問題に直面しているケースも増えています。
1-1.近くに二階建てがあると覗かれてしまう
平屋の周辺に、一般的な戸建て住宅が多いと、どうしても見下ろされてしまいます。とくに2階から平屋の様子は観察しやすく、近隣の人は2階の窓を開けるたびに、平屋の様子が観察できてしまいます。意図的に覗く気はなくても、お互いあまり気持ちの良いものではないでしょう。
周辺の家から覗かれないためには、平屋を建設する際に周辺住宅と距離を置くのが理想です。できれば、広い土地を確保したうえで平屋の周辺にスペースがあれば、近所の2階建てから覗かれることもありません。そうした意味でも、平屋は住宅が密集した場所ではなく、広い土地のある郊外に建てたほうが住みやすいです。
1-2.侵入されやすい
住居スペースがすべて1階にある平屋は、2階建ての戸建て住宅にくらべ窓が多く、外から侵入されやすいです。防犯面においては、二階建ての家より気を付けなくてはなりません。
不法侵入されるのは、玄関よりも窓のほうが多いです。窓に二重の鍵をつけたり、防犯ガラスにするといった対策が必要です。また、外部からの侵入を避けるためにも、道路から部屋のなかを覗かれないよう工夫する必要があります。
1-3.家族間のプライバシーも難しい
そして平屋は住んでいる人同士のプライバシー確保も難しいことがあります。2階がある場合、1階と2階では音や光がかなり遮断されますが、ワンルームでできた平屋の場合は、部屋同士が隣り合っていると音や光がもれることがあるからです。家族同士のプライバシーを尊重したい場合は、部屋と部屋の間に廊下を置くなど、ある程度広いスペースも必要となるでしょう。
2.外観からのプライバシーを確保する方法
このように平屋に住む場合は、外からのプライバシーと家族同士のプライバシーを考慮しなくてはなりません。これから平屋を建てる場合は、あらかじめ外観から見えにくい構造にするなどの工夫が必要です。まずは、外観からのプライバシーを確保する方法を具体的に見ていきましょう。
2-1.外部の視線を遮りすぎない
平屋は外から見えやすいため、つい高いフェンスなどで家を覆いたくなります。しかしあまりにも外部の視線を遮断してしまうと、侵入されたときに外からは気づきません。防犯効果を高めるには、外部を完全に遮断するフェンスや植木は逆効果です。
おすすめはある程度家が見えつつ、プライバシーを確保できる植木やフェンスの設置です。エクステリアに詳しい工務店なら、どの場所にどの程度のフェンスを建てればよいかアドバイスしてくれます。
2-2.道路に面した窓には気を付ける
侵入されやすい平屋は、窓の位置にも注意が必要です。とくに道路に面した場所に大きな窓があると、そこから不法侵入されやすくなります。
人目につきやすい場所は高窓にして侵入経路を防いだり、合わせガラスをつけたりするのがおすすめです。近年では天井部分に窓を設けて光や風を取り込む方法も人気です。
2-3.コの字型の平屋にする
平屋は横に広がっている住宅デザインが多いですが、住宅の形状を「コの字型」や「ロの字型」にするのもおすすめです。つまり中庭に面して大きな窓を設置すれば、外部からの視線は気にならず、防犯上の心配も減ります。施工費用は一般的な平屋デザインよりも高めになりますが、周りからのプライバシーを守れるうえ、風通しや採光対策にも有効です。
参照 https://www.clasishome.jp/blog/hiraya_summary/
2-4.軒(のき)を深めに作る、シェードを張る
平屋で多くある問題が「隣家の2階から見下ろされてしまう」ことです。近所の人も覗くつもりはなくても、雨戸を開けるたびに平屋の中が見えてしまう、というケースもあります。近所の人と円満に過ごすためにも「軒(のき)を深めに作る」「シェードを張る」といった対策は重要です。
とくに軒を深めに作ると、2階から部屋を覗かれることもなく、雨の日でも洗濯物を干しやすいといったメリットがあります。また、ベランダの内側に縁側を作れば、外から見られても縁側スペースだけで済むこともあるでしょう。隣家のためにも、プライバシーに配慮した設計を考えましょう。
3.家族間のプライバシーを守る方法
平屋に多くの家族が住む場合、それぞれが快適に過ごせるようプライバシーに配慮した作りが必要です。子どもが小さなうちは広いワンフロアで過ごせても、思春期を迎える頃にはプライベートスペースが欲しくなるもの。また、在宅勤務などが増えて静かなスペースが必要になることもあります。ここからは家族同士がストレスを抱えずに過ごすための、平屋の間取りについてご紹介します。
3-1.庭よりも部屋の広さを優先する
昔の平屋は広い縁側に庭といったスペースがありましたが、個々のプライバシーを尊重するには、庭よりも部屋の広さを優先することも必要です。
例えば庭をほとんど作らず、部屋を優先的に考慮すれば、家族それぞれの部屋が持てるだけでなく、駐車場や広い玄関、ウッドデッキスペースも作ることができます。庭があったほうが隣家との距離も保てますが、家に個人のスペースがないのも問題です。家ではどのように過ごしたいのかを考慮したうえで取捨選択し、状況に応じて庭より部屋数や広さを優先しましょう。
参照 https://sumai-sekkei.com/flathouse/flat-madori.ex17.html
3-2.廊下を作る
廊下はただ人が通るためのツールではありません。廊下があったほうが部屋と部屋のスペースを分け音や光を遮断することができます。
近年都市部の住宅では面積を有効活用するため、あえて廊下を作らない家が増えています。しかし廊下がないと部屋が隣接してしまうため、音が漏れて睡眠の妨げになることも多いです。
平屋に廊下を作ると2~3畳ほど余分なスペースが必要となりますが、各部屋を独立させ落ち着きのある構造になります。とくに家族で就寝時間が違うといった場合、廊下を設置したほうがテレビの音が漏れにくく、プライバシーも確保できるでしょう。
3-3.リビングと寝室を離した間取りにする
家族間でトラブルになりやすいのが、音がうるさくて睡眠の妨げが起きるケースです。とくにリビングと寝室が隣接した平屋の場合、誰かがテレビを視聴している間は落ち着いて眠れないこともあります。
平屋を建設する際にはリビングと寝室を離した間取りにすることが大切です。寝室を独立したスペースにしておけば、家族が病気のときも静かな場所で過ごせるうえ、病気がうつらないよう隔離することも可能です。
参照 https://www.clasishome.jp/blog/hiraya_summary/
4.まとめ
平屋は2階へ上り下りする必要がなく、導線がスムーズですぐに外に出られるといったメリットがあります。その反面、周囲から覗かれやすく、プライバシーと防犯を兼ね備えた造りが必要です。それと同時に、廊下がないと各部屋の音も漏れやすく、プライバシーや睡眠に支障が出ることもあるでしょう。
平屋の建設を検討する際は、プライバシーと防犯のバランスを考慮し、信用できる工務店に相談することが大切です。高齢になっても住みやすいよう、快適な平屋を建てるとともに、できる限りの目隠しや防犯対策を行いましょう。