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樹脂窓の価格はどのくらい?複層ガラス、樹脂窓におけるメリットの紹介
屋根、壁、床、土台、基礎など、それぞれには住宅の断熱性を上げるために様々な技術が施されています。なかでも、家を構成する中で最も熱を伝えやすい部材は窓です。せっかく他の部材で断熱性を上げても、窓の機能を疎かにしては意味がありません。
そこで近年注目されているのが「樹脂窓(樹脂サッシ)」です。昔はアルミサッシが主流でしたが、最近では家の断熱性を高めるには樹脂窓を取り入れたほうが良いと言われています。ここでは、樹脂窓の価格や、メリットデメリットについて紹介します。
1.樹脂窓とは
樹脂窓とは窓枠に樹脂を使い、高性能ガラスを組み合わせたものを言います。 昔は窓枠にはアルミのサッシが使われていましたが、アルミサッシは熱の伝導率が高いため、夏は暑くて冬は寒くなる、というデメリットがあります。地球温暖化が問題視されているなか、各家庭の電力を抑えるためにも、熱の伝導率を抑えた樹脂窓が注目されています。
1-1.アルミに比べ熱の伝わり方は1400分の1
樹脂の素材は熱を伝えにくいです。それはアルミ素材のサッシに比べ1000〜1400分の1と言われています。例えばアルミサッシの場合、真冬に窓枠を触ると非常に冷たく感じるでしょう。外気の寒さと室温の高さの影響を受け、結露が生じやすいです。
しかしアルミに比べ熱の伝わり方が1000分の1程度しかない樹脂の場合、真冬でも窓枠は冷たくならず、結露も生じにくいです。もちろん使用しているガラスによっても違いはありますが、真空ガラスのような機能性の高い窓と併用すれば、家の断熱性をかなり高めることができます。
1-2.耐用年数は50年の商品も!
樹脂窓の多くは耐久性に優れた塩化ビニル素材が使われています。その耐用年数は高く50年保証を行っている製品もあります。50年保証がない樹脂窓も、少なくとも30年間は耐久性があるでしょう。
樹脂製品というのは身近にあふれており、代表的なものがポリプロピレンという素材です。これは洗濯バサミやバケツなどに利用されており、紫外線に当たることで割れやすく破損してしまいます。
しかしサッシに使われる塩化ビニル素材は、非常に頑丈で自動車の部品などにも使われています。地震や暴風雨などの自然災害にも強いのが特徴です。
1-3.アルミ樹脂複合サッシもある
ちなみに、昔ながらのアルミサッシと、近年使用されている樹脂窓を組み合わせた「アルミ樹脂複合サッシ」という商品もあります。
アルミ樹脂複合サッシの特徴
- 樹脂窓よりも価格が割安
- アルミを外側にして樹脂を内側に取り入れている
アルミは熱伝導率は高いものの耐久性や強度は高いです。そのため、外側のサッシはアルミにして、部屋の内側にあるサッシを樹脂製にした複合サッシもあります。アルミだけでできているサッシより価格は高いですが、樹脂製のみのサッシより割安で購入できることが多いでしょう。
参照 https://www.dreamotasuke.co.jp/c/696/useful01/useful05#
1-4.デメリットは価格が高いこと
樹脂サッシは基本的にデメリットがありません。しかし、あえて言うのであれば価格が高いことがあげられます。
わかりやすく比較した場合、アルミサッシが1万円だった場合、樹脂サッシの価格はおよそ2倍の2万円となります。 樹脂とアルミと合わせた複合冊子の場合、その中間の1.5万円というところでしょう。
樹脂サッシは世界の先進国で取り入れられている素材ですが、日本ではまだ普及率がそれほど高くありません。業者としては仕入や設置に負担が掛かることも多く、どうしてもアルミサッシより価格は高くなります。
しかし、樹脂サッシの窓なら部屋の断熱性が上がります。光熱費を抑えられることを考えたら、高い買い物とはいえないでしょう。
参照 https://rehome-navi.com/articles/483
2.樹脂窓を取り入れるとどうなる?
日本の住宅は、まだまだアルミサッシの家が多いです。しかし、リフォームをしてアルミサッシの窓から樹脂サッシに変えた場合、どのようなことが起こるのでしょうか。ここからは、アルミサッシから樹脂製のサッシに変えることで起きるメリットを紹介します。
2-1.高断熱、防音性も高い家になる
基本的に樹脂サッシは、窓ガラス自体も断熱性の高いガラスが入るので、昔ながらのアルミサッシの窓に比べ断熱性が非常に高くなります。両者を比較すると、冬の窓からの熱の流出は3割近く減ると言われています。
具体的にはアルミサッシの部屋で過ごすより、樹脂サッシの部屋で過ごしたほうが、冬は3度ほど暖かくなるケースが多いです。
そして樹脂サッシのガラスは空気層が多くなるため膨張しやすく隙間をしっかりと埋めてくれます。機密性が高まることにより防音性もアップするので、外の音を遮断り、部屋で騒いでも近所に迷惑をかけにくい、というメリットがあるのです。
2-2.デザインも選べる
樹脂サッシは近年多くのカラーバリエーションが増えてきました。少し前までは白か黒をベースにした色合いしかなかったのですが、近年ではベージュやイエロー系も増えて室内インテリアに馴染むようになっています。
少しプラスチック感が出るので、それが嫌だという人もいますが、樹脂サッシのデザインは徐々に増えています。今後は木目調のデザインや、カラーもさらに増えることが予想されるので、室内に合ったデザインを選べるでしょう。
2-3.省エネで快適な家になる
樹脂サッシを導入することにより家の断熱性が高まって、省エネにつながります。
例えば冬がどうしても寒くて部屋の温度をあげたい場合、高性能な暖房機器を導入する方法もあります。しかし、暖房機能を上げるとその分電気代がアップし、部屋における上下の気温差が激しくなり、乾燥して快適な部屋ではなくなるリスクも高いです。
その点樹脂サッシを導入すれば、室温の変動を穏やかにし、上下の温度差も少なくなり、ムラのない快適な環境が生まれます。なにしろ冷暖房費のランニングコストを抑えられるので、エコで快適な生活を生み出すのです。
3.樹脂サッシにリフォームをする際のポイント
これからアルミサッシの窓を樹脂サッシにリフォームする場合は、次に紹介する2つのポイントを押さえておきましょう。何の知識もなくいきなりリフォームしてしまうと、損をしたり、断熱性が上がらなかったりすることもあります。交換に掛かる費用はしっかり工務店に見積もりをだしてもらい、窓の大きさや位置に合わせて最適な樹脂窓を取り入れることが重要です。
3-1.補助金制度が使えることも多い
アルミサッシから樹脂製のサッシに交換するリフォームは、環境省の補助金制度を利用できる場合があります。
国は環境を守るためにエコ対策に乗り出しており、家庭において窓のリフォームをして断熱性を高めることを推奨しています。補助金制度はいろいろな種類がありますが、代表的なものが「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」です。この制度では、窓断熱リフォームのおよそ1/3程度の補助金額が出るため、例えば施工費用に45万円掛かった場合は最高15万円の補助金が出ることもあります。
補助金制度を受けるには、現地調査を受けたり、アンケートに答えたりと、いくつかの条件があります。また、国だけはなく、場所によっては住んでいる自治体による補助金制度も存在します。リフォームをする前に自治体に問い合わせたり、工務店に補助金制度が適用されるか確認すると良いでしょう。
参照
https://www.sgs-g.com/nedo.htm
https://www.heco-hojo.jp/yR03/danref/index.html
3-2.樹脂サッシに最適なガラスを選ぼう
アルミサッシから樹脂サッシにリフォームする場合、窓ガラスも高性能なものに変えないと意味がありません。いまや「樹脂サッシ+昔ながらの1枚ガラス」という組み合わせはほぼ存在しません。気密性を上げてエコな家にするためには、以下の3つのガラスを選ぶのが一般的です。
ガラスの名称 | 特徴 |
複層ガラス | 複数枚の板ガラスを重ねたもの。2枚のガラスは「ペアガラス」、3枚は「トリプルガラス」、4枚は「クワトロガラス」と呼ばれ、枚数が多いほど断熱性がアップする。 |
真空ガラス | 複層ガラスの間に特殊なガスを入れて真空状態にしたもの。複数ガラスの断熱効果をさらに高め、結露を予防する |
Low-E(ローイー)ガラス | ガラス表面に金属加工を施したもの。日射熱をコントロールでき、断熱性が高い。一般的に2重になっており、Low-Eガラス+通常のガラスのペアガラスで販売されている。 |
樹脂サッシと組み合せるには、Low-E複層ガラスやトリプル複層ガラス、真空ガラスなどと組み合わせることが多いです。価格は複層ガラスの枚数やガスの注入の有無によって変わるので、場所によりどのガラスにすべきか工務店としっかり相談しましょう。
4.部屋が暑い、寒いと感じたら、樹脂窓にリフォームを
今お住いの家が、夏は暑くて冬は寒い、冷暖房費が高いと感じたら、窓のリフォームがおすすめです。寒暖差を失くすにはエアコンを買い直すといった方法もありますが、そもそも家自体の断熱性が低ければ、どれだけ高性能な暖房機器を取り入れても意味がありません。
室内の温度が外に逃げてしまう最大の理由は窓の気密性が低いからです。従来のアルミサッシの窓をお使いの方は、ぜひ樹脂窓へのリフォームをご検討ください。